業界も人材も育てるには? 大学をハブに企業と若手の架け橋に【TGS2024】
メディアアートからゲームに行く人も
東京藝術大学大学院映像研究科研究科長の桐山孝司氏は、東京藝術大学で2026年に開講予定のゲーム専攻における人材像と大学院の映像研究科での現在地を話した。 「メディアアートに近いジャンルからゲームを始める人や、アニメーションで入ってもインタラクティブにやりたい人が増えている」(桐山氏)。ゲーム専攻の修了後にはゲームクリエイターやディレクター、その他の応用分野で活躍できる人材を育てることを目指しているという。 現在の大学院の映像研究科において桐山氏はゲームを制作するコースを担当している。海外大学との連携共同制作も含むグローバルな制作・研究を行っていることを話した。 講演後にはパネルディスカッションを実施。大学の基礎研究がゼロイチ人材の発想と相性がいいことや、中小規模の企業のノウハウの継承の課題、社会人のリカレント教育としての大学院の役割などが論じられた。 ゲーム制作の世界では修士課程や博士課程は大切だと認知が広がってきたという。だが、2年間では「足りない」と思う人もいて博士課程に進んで4年間作り続ける人もいる。「アーティストとして自分なりのビジネスを見つけていく生き方はプロダクト開発をベースとするビジネスでは難しいが、地域社会の中でゼロイチ人材としていく一つの形ではないか」といった議論もなされた。 (文/丹野 加奈子、写真/志田 彩香) なお、日経クロストレンドでは「東京ゲームショウ2024特設サイト」を公開中です。ぜひ、ご覧ください。 ・日経クロストレンド「東京ゲームショウ2024特設サイト」 https://xtrend.nikkei.com/sp/tgs/
丹野 加奈子