宮野真守×生見愛瑠の“背中を追いかけたい存在”とは? “個性”に悩む人へアドバイスも
宮野真守は緊張しい? 生見愛瑠が明かす“意外な一面”
――『ヒロアカ』では超常能力“個性”を描いていますが、現代においては自分の性格だったり、特性に関する個性に悩む人も実は多いのではないかと思います。お2人ならどんなアドバイスをしますか? 宮野:人と比べて「こうなんなきゃいけない」と考えると、自分は無個性だなと思っちゃうだけだと思うんです。もう生まれて生きている時点で、絶対に、それぞれの個性を持っているはず。だから、自分が「個性がない」とか「うまくいかない」と感じるときに大事なのは、どっちかというと、“何を好きか”ということかもしれないです。そうすると、それが自分のやりたいことに結びついていくから。もちろんその先にはいろんな戦い方があると思うんですけど、その中で、「自分にはこれはできないから、こういう向き合い方をしよう」と考えていくと、勝手にその人の個性が出来上がっていく気がします。 ――なるほど。 宮野:僕も子供の頃は声優になるとは思っていなかったので。自分の個性が結果的に今の形になるとは思わなかったけど、「お芝居が好き」という気持ちが軸にあるんです。オーディションの機会をもらったときに頑張った結果、声優の道が開けたんですよね。そういう意味でも、どちらかというと、“好きなことを見つけること”が近道かもしれないなと思います。 生見:私も、全然自分に個性があるとは思っていなくて。だけど、友達からは「変だよ」と言われるので、個性が全然ない人なんていないんじゃないかな(笑)。ちょっとだけ人と違うところを、自分の個性だと思えばいいのかなって。 ――ちなみに、友達から「変だよ」と言われるのはどういうところですか? 生見:テレビだと超明るく思われがちなんですけど、実は割とテンションが一定で。全然テンションが上がらないし、下がらない。だから「感情ないの?」とめっちゃ言われます。映画とか観ても全然泣かないし。 宮野:ははっ。実は一定なんだ。 生見:そうなんですよ。だから、「サプライズが難しい」って言われます(笑)。 ――メンタル面も安定しているタイプですか? 生見:一定ですね! ほんとに自分自身のメンタルが落ちないから、人生相談とか全然されないんです(笑)。 宮野:そういうところが、他の人と会話したときにバランスとして面白いんじゃない? 生見:そうだと嬉しいです~! ――宮野さんは、周りから見えている自分の個性と人から見た自分は一致していますか? 宮野:僕自身は面白いことが好きだし、楽しいことが好きなんですけど、実は超怖がりなんです。だから笑うんですよ。それで「明るいね」と言われるけど、失敗が怖いし、結構その日にあったことのひとり反省会もします。 生見:落ち込むタイプなんですね。 宮野:そうそう。緊張しいです(笑)。すごい意外がられますね。でもステージに立つとスイッチが入って「もうやるしかない!」ってなるんだけど。だから、表にはそう見えないみたいなんです。ライブ前は、「帰りたい帰りたい……」ってずっと楽屋で言っています(笑)。その分、反復練習は欠かさないかな。 生見:そういえば、ロサンゼルスのイベントのときも英語での自己紹介をずっと繰り返し練習していましたよね? 宮野:えっ、練習見てたの? 生見:はい(笑)。聞こえてました! 宮野:恥ずかしっ(笑)! (スタッフが)英語での挨拶を考えてくださったんですけど、慣れないから、何回も練習したり、「これはどういう意味なんですか?」と細かく聞いていたんです。 生見:宮野さんがすっごくいいお声で何回も練習していたので、聞きすぎて私がその自己紹介を言っちゃいそうなぐらい(笑)。 宮野:めるるは余裕そうでした。 生見:私、割と本番前は「なるようになる!」って思うタイプなんです(笑)。 ――では、今回の映画がどんな人に届いてほしいかみどころを教えてください。 宮野:この映画は、“ヒーローのあり方”についても考えさせられる作品だと思います。思いをどう受け継ぐか、それをどう表現していくか。オールマイトの思いは、ある意味ダークマイトでさえ受け取って、自分なりの形で示しましたよね。でも、「受け継ぐってどういうことなんだろう」「正義ってどういうことなんだろう」といった問いについて、みなさんにもじっくり考えてみてほしいです。 ――原作もアニメシリーズも、ヴィランとヒーローの確執を大きく描いてきましたが、この劇場版でそれがぎゅっと凝縮された感じがしました。 宮野:結局のところ、自分がどこに向かっていくのか、誰のために行動するのかが重要で、単純に善悪を問うというよりも、自分の正義をどう貫くかが問われている。ジュリオも、ダークマイトやデクたちとは違う正義感で動いていますからね。この映画を通して、正義のあり方について多くの人に考えてもらえるんじゃないでしょうか。 生見:そうですね。この映画を通して、仲間がいることや、守りたいものがあること、そういう大切なものの存在が素晴らしいと改めて感じました。友達や家族と一緒に、あるいは1人で観ても、きっと楽しめると思います。いろんな世代の方に観てほしいですね。
すなくじら