【NBA】ウォリアーズはデニス・シュルーダー獲得に動く、ステフィン・カリーのバックアップもしくは2ガード起用も
ケガのディアンソニー・メルトンと2巡目指名権を譲渡
ウォリアーズとネッツが、デニス・シュルーダーのトレード交渉を行っており、間もなく正式決定となりそうだ。シュルーダー獲得の対価として、ウォリアーズはディアンソニー・メルトンと2巡目指名権3つをネッツに譲渡すると報じられている。 今オフにウォリアーズに加入したメルトンは、6試合に出場した時点で膝の前十字靭帯断裂の大ケガを負って長期戦線離脱となり、ウォリアーズはステフィン・カリーに続く2番手のポイントガードを失った。 そこで目を付けたのがNBAキャリア12年目のシュルーダーだ。2023年のワールドカップでドイツ代表を優勝に導き、MVPにも選ばれた得点力のあるポイントガードのシュルーダーは、2020-21シーズンにレイカーズで素晴らしい活躍を見せたにもかかわらず契約交渉がまとまらずに退団するなど、プレーする場に恵まれずチームを転々としてきた。昨シーズン途中にラプターズからネッツへとトレードされ、今シーズンここまで23試合で18.4得点、6.6アシストと、再建中ながら意外な健闘を見せるネッツの中心として活躍している。 しかし、ネッツは自前のドラフト指名権を取り戻したばかりで、今シーズンは『勝っては困る』状況にある。31歳のシュルーダーは再建のタイムラインに合わないため、トレードを模索していたようだ。 一方のウォリアーズは36歳のカリーと34歳のドレイモンド・グリーンがいまだ質の高いプレーを続けており、ここまで14勝10敗の西カンファレンス5位と上々の戦いを見せている。それでもメルトンがケガをして、バックアップガードの不在の状況で戦い続ければ、シーズン半ばのこの時期にカリーに無理を強いることになる。そのため、今夏に契約を結んだ選手がトレードできるようになる現地12月15日にすぐさま補強を行うようだ。 シュルーダーの年俸は1300万ドル(約20億円)、メルトンは1280万ドル(約19億円)でサラリーはマッチし、今シーズン限りの契約。しかも1巡目指名権を手放すことなく即戦力が獲得できるのだから、このトレードは悪くない。 ただし、ジミー・バトラーのようなビッグネーム獲得に利用できるメルトンの契約をここで手放してしまうことで、トレードデッドラインに向けて今後の大型補強はやりづらくなる。それでも、ウォリアーズの最優先事項はカリーの余計な消耗を避けることであり、トレードデッドラインまで2カ月間も手をこまねてはいられないとの判断だろう。 シュルーダーは控えポイントガードではなく、カリーとの2ガード起用も考えられる。プレーメークと得点だけでなく、優れたディフェンダーという意味でもカリーを助けられる戦力だ。そしてシュルーダーにとっても、勝てる環境でプレーできない時期を抜け出し、自分のキャリア全盛期を無駄にすることなく思う存分に戦うことができる。 一方でネッツは、このトレードが成立した時点で今シーズンに勝つことを完全に放棄することになる。シュルーダーだけでなく他の選手も条件次第で放出していくだろう。