グランツーリスモで全国23大学の自動車部が対抗戦、中央大の5連覇を阻むのは? 米スタンフォード大も参戦、GTカレッジリーグ2024
レーシングゲーム「グランツーリスモ(GT)」を使った大学自動車部による対抗戦「GTカレッジリーグ2024」が9月末、東京・新宿の東急歌舞伎町タワーで開催されました。eモータースポーツとしても世界的に知られるGTの迫力と臨場感で会場は大盛り上がり。23大学の頂点に立ったのは。 【画像】もっと写真を見る(12枚) 今年で開催5年目となるGTカレッジリーグでは、最新作「グランツーリスモ7」を採用。普段は本物の自動車に乗っている各大学の自動車部員が、e-スポーツでその技術や経験を競いました。 会場は2023年に開業した東急歌舞伎町タワー内のライブエンターテインメントシアター「THEATER MILANO-Za」。ステージ上に12のコックピットが並び、ヘッドホンを装着した選手がハンドル型のコントローラーでマシンを操作します。各チーム3人が交代して運転する団体戦で、特別招待校の米スタンフォード大学を含めた過去最多の23大学が予選と決勝に挑みました。 本物さながらのレース映像が特大のスクリーンに映し出されます。ランボルギーニ・ウラカン、ホンダ・NSXといった各大学が選んだレースカーに、慶応義塾大であれば赤と青といったように大学のシンボルカラーを施した車体も。観客席では学生やOB・OGらがレースを見守り、たびたび起こるファインプレーに大きな拍手も起こりました。 予選の舞台は日本の筑波サーキット。23大学が二つのグループに分かれて挑む中、ここで大波乱が起きます。大会4連覇中の中央大がペナルティーなどの影響もあり、グループ9位でまさかの予選敗退。昨年3位だった慶応義塾大も決勝進出ならず。他大学の躍進に苦杯をなめる結果となりました。 決勝に進んだのは米スタンフォード大学を含めた12チーム。舞台は「東京エクスプレスウェイ(東ルート外回り)」。東京の首都高をモチーフにした非常に長いストレートが特徴のコースで、各大学3人が5周ずつ、計15周で勝敗を決します。 決勝のポールポジションスタートは昨年準優勝の東京電機大学。レーススタート直後から激しい競り合いや駆け引きが演じられ、順位は目まぐるしく入れ替わりました。中盤以降は、東京電機大と明治大が抜け出してトップ争いに。同じブガッティ・ヴェイロンを選んだ2校がデッドヒートを演じた結果、食い下がる明治大を東京電機大が振り切り、昨年の雪辱を果たしました。3位には決勝10番手スタートだった駒沢大が入りました。 東京電機大は昨年と同じメンバーで臨み、悲願の初優勝。大石澄海(おおいし・すかい)選手は「昨年2位で、今年は絶対ものにしなきゃと思い3人で頑張ってきた。ほっとしました」と笑顔で語りました。GTシリーズを開発し、本大会を主催した株式会社ポリフォニー・デジタルのプロデューサー山内一典氏は閉会式で「普段の生活の中で練習を重ねている結果、毎年レースのレベルが上がっている」と選手たちをたたえました。 eスポーツの世界的な盛り上がりとともに、GTの存在感は高まっています。全世界での累計実売本数は9千万本を超え(2022年11月時点)、2023年には映画化され話題に。GTのプレーヤーを本物のプロレーサーに育成するプロジェクトを描いた作品で、実際に活躍したドライバーの実話が基になっています。一方では、GTの技術が実際の車両開発で活用されるなど、バーチャルとリアルの境界を超えた価値を提供しています。 国際オリンピック委員会は2025年に第1回「オリンピック・eスポーツ・ゲームズ」をサウジアラビアで開催することを発表しました。競技タイトルは未発表ですが、GTが選ばれトッププレイヤーによる世界最高峰のレースが繰り広げられることが期待されます。 GTカレッジリーグ2024 決勝結果 1位 東京電機大学 2位 明治大学 3位 駒沢大学 4位 静岡大学 5位 千葉工業大学 6位 立命館大学 7位 立教大学 8位 名古屋工業大学 9位 同志社大学 10位 法政大学 11位 関西学院大学 12位 スタンフォード大学 【参加大学(23大学)】 青山学院大学、関西学院大学、近畿大学、慶応義塾大学、工学院大学、国学院大学、駒沢大学、静岡大学、専修大学、千葉工業大学、中央大学、東海大学、東京電機大学、東京農業大学、同志社大学、名古屋工業大学、日本大学、法政大学、明治大学、立命館大学、立教大学、早稲田大学、スタンフォード大学(特別招待校)
朝日新聞社