中国“周辺海域の放射性物質の濃度に異常はなかった”と報告書に
中国は福島第一原発の処理水を汚染水と呼び批判していますが、先月末に公表された報告書では周辺海域の放射性物質の濃度に異常はなかったと明記していたことがわかりました。 中国生態環境省は先月24日付の報告書で、海水と海洋生物に含まれるストロンチウムとセシウムの濃度が去年、基準値をはるかに下回っていたと発表しました。 また22日付の報告書でも、中国国内の13の原発周辺の海域をモニタリングした結果として「放射性物質の濃度は国の基準値を大きく下回っていて、環境や健康に影響はない」としています。 中国はこれまで東京電力福島第一原発の処理水を「核汚染水」と呼びSNS上では「核汚染水が240日後に中国沿岸部に押し寄せる」との研究データが話題となるなど処理水の放出が世界の海洋に影響を及ぼすと非難していました。 6日行われた中国外務省の会見で報告書について「処理水は中国の海洋環境に影響を与えていないということではないか」と問われると、報道官は「汚染水の放出に反対する中国の立場は一貫している」と直接の回答を避けました。 そのうえで「日本の水産物禁輸は必要な措置で完全に合理的かつ合法的だ」と強調しました。