拾った財布を届けたら「お金が減っている」と落とし主から連絡が! 財布を拾った場合に“注意すべき点”とは? 元警察官の筆者が解説
拾った財布を警察に届けたものの、後日落とし主から連絡があり「お金が減っている」と言いがかりをつけられるケースは皆無ではありません。 せっかく善意で財布を届けたのに、そのようなトラブルに巻き込まれては気分も悪いですよね。本記事では、財布を拾った場合に落とし主とトラブルを起こさない方法を元警察官の筆者が説明します。 ▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい?
財布の現金が減る理由
筆者が警察官をしていたとき、「財布を拾った」という届出は数え切れないくらいありました。そして、現金だけがなくなっていることもしばしばありました。多くは拾い主が拾う前に、ほかの第三者が拾って現金だけ盗んで、再び捨てたのだと思われます。 なぜそのようなことをするのかというと、カードや財布を持っていると職務質問をされた場合などに言い逃れができませんが、現金だけなら捕まりにくいという心理が働くからでしょう。 しかし、現金だけがなくなっているケースでも、落とし主が拾い主を疑うことはほとんどありませんでした。むしろ財布やカード、身分証だけでも見つかって良かったと感謝していることが多かったです。 ただし、ごくまれに拾い主が現金を盗んだと疑う落とし主がいたことも事実です。また、現金が残っている場合でも、落とし主の勘違いでお金が減っていると思い込む可能性もあります。そのため、落とし主とトラブルが起きる可能性は残念ながら否定できません。
落とし主とのトラブルを避けるためにできること
財布を拾った際に落とし主とのトラブルを避けるにはどうしたらよいのでしょうか。確実にトラブルを防げるのは、拾ったものに対する権利を放棄することです。財布などを拾うと、拾い主に以下の権利が生じます。 ・お礼を請求する権利 ・警察に届ける際の交通費などを請求できる権利 ・(落とし主が分からなかった場合)拾ったものを自分のものにできる権利 これらの権利のうち、お礼を請求する権利と交通費などを請求する権利を行使するには、落とし主に自分の氏名や連絡先を教えなければなりません。 しかし、これらの権利を放棄して、「落とし主に氏名などを教えないでほしい」と警察官に伝えれば、書類にその旨が記載されます。そうすれば、落とし主に自分の情報が伝わることはありません。 権利を残したままトラブルを完全に避けるのは難しいでしょう。トラブルになった際に、落とし主から脅迫や名誉毀損などに該当することをされれば警察も刑事事件として対応できます。しかし、それらに該当しない場合は警察による解決は難しいでしょう。 トラブルを避けるために最初から拾わない選択肢もありますが、たとえ現金がなくなっていても財布が見つかると感謝する落とし主がほとんどですから、落ちている財布を見つけたらぜひ届けてあげてください。