元鳥栖サポも「苦しいときにオファーを出してくれたのは…」J1アビスパ福岡・小田逸稀、九州ダービーで〝古巣〟へのゴール決意
J1アビスパ福岡が28日、駅前不動産スタジアム(佐賀県鳥栖市)でサガン鳥栖との九州ダービーに臨む。リーグ戦で10戦勝ちがなく13位に低迷している現状を打開するためにも、勝ち点3が必須の大一番。鳥栖の育成組織、鳥栖U―15(15歳以下)出身の小田逸稀(26)は「ダービーで点を取ったらすごく気持ちいいと思う。狙っていきたい」と得意のヘディングで〝古巣〟からゴールを奪う意気込みだ。 ■報道陣に囲まれ監督退任について語る【写真】 佐賀県唐津市出身の小田は「幼稚園のときからサガン鳥栖を応援していた。プロとしてピッチでプレーするあこがれもあった」という元鳥栖サポーター。地元の唐津FCでFWとして得点嗅覚を磨くと、鳥栖U―15唐津に入った。 だが鳥栖からプロになる縁には恵まれず、中学卒業後は東福岡高へ。2年時に全国高校総体と全国高校選手権で2冠を果たすと、卒業後はJ1鹿島に入った。期限付きで移籍したJ2町田や千葉で経験を積むものの、鹿島に戻ってもスタメンに定着できない日々。「僕が苦しいときにオファーを出してくれたのはアビスパ。今はもちろんアビスパのために体を張りたい」と、昨季加入した福岡の方が思い入れは強くなっている。 鳥栖の育成組織に在籍していた当時はダービーの因縁も、負けてはいけない重圧もそこまでなかった。昨年、福岡の選手として鳥栖と戦うようになってからはひしひしと感じている。今年6月のホーム戦ではウェリントンの2点目をアシストした。今回は憧れていた駅前不動産スタジアムでの戦い。「あそこでプレーできる喜びは今もある」と心待ちにする。 鳥栖はJ1最下位で初の降格危機にあり、前節東京V戦ではセットプレーから2失点した。身長173センチながら打点の高いヘディングが持ち味の小田としてはチャンスだ。福岡も6月30日のFC東京戦を最後に勝ちがなく、約3カ月間白星に飢えている。「鳥栖もすごく厳しい状況だけど、絶対に勝たなければいけない」と、プロの誇りにかけて鳥栖のゴールを狙いにいく。(末継智章)
西日本新聞社