大行燈、能登とともに 庄川観光祭、復興願い市町章描く
●東部松栄会「言葉だけでは弱い」 砺波市の庄川観光祭は最終日の2日、能登半島にある13市町の市章・町章を描いた大行燈が震災復興の願いを込めて、庄川町地域の市街地を巡行した。市は地震による大きな被害はなかったものの、制作した東部松栄会のメンバーは仕事で能登に関わり、現地の惨状を目にしてきた。ともに頑張り、被災地を盛り上げたいとの思いを形にした。 ●氷見の市章も 描かれた市章・町章は輪島、珠洲、七尾、羽咋、かほく、能登、穴水、中能登、志賀、宝達志水、津幡、内灘の石川県内12市町と、富山県の氷見市となっている。マークは行燈上部の屋根を囲むように入れてある。極彩色の行燈には花や四角形、線などカラフルな柄や模様が描かれ、違和感なく溶け込んだ。 東部松栄会では今年の行燈制作で、能登に対する思いをどう表現するかが大きなテーマだった。側面には「頑張ろう!能登」のメッセージを入れた。ただ、責任者「裁許(さいきょ)」を務める伊藤寛芝さん(46)は「言葉だけでは弱い気がしたんです」と市章・町章のアイデアが生まれた背景を説明する。 ガス会社に勤める伊藤さんは発災3日後の1月4日には被災地の能登町を訪れ、道路があちこちでなくなっている惨状に驚いたという。計6回訪れ、4月中旬には仮設住宅の仕事に関わった。松栄会には電気工事や内装の仕事で能登を訪ねた人もおり、能登に対する思いは強い。 行燈の頂上部には能登半島の形を入れてある。正面から見えない場所だが、内に秘めた思いを込めたという。伊藤さんは「出来映えは120点。皆さんのおかげでいい行燈になった」と胸を張った。