TISの経費精算クラウド「Spendia」、生成AIを活用し業務効率化とガバナンス強化を図る新オプション
TIS株式会社は28日、経営管理サービス群「ACTIONARISE」のクラウド型経費精算システム「Spendia」に、生成AIを活用した新機能を追加すると発表した。新機能は有償のオプションとなり、2024年12月より順次提供開始される予定である。 Spendiaは、経費精算システムを20年以上提供してきた知見をもとに、日本の制度や商習慣に合わせて開発した経費精算クラウドサービス。SaaSでありながら、大企業が抱える特有要件にも対応できる機能と柔軟性をもち、スマートフォンアプリで経費精算を完了できる利便性も特徴という。 今回の強化ではまず、生成AIを活用した画像解析技術を備えたAI-OCR機能によって、データ読み取り・自動入力が可能となった。申請から伝票生成、承認までを自動化することで、支払い・精算プロセスを効率化できる。 また、事前申請や予測にもとづいた自動承認に対応し、経理業務を迅速化が可能なほか、海外の領収書や帳票もサポートし、帳票読み取りや、読み取りデータによる伝票生成を行える。これらの機能は、2024年12月の提供開始を予定する。 さらに、AI検印による不正検知機能を搭載する。同機能では、生成AIのアルゴリズムを組み合わせたSpendia独自の解析モデルにより、経理担当者が日常業務で行うチェック作業をAIが学習し、システムが自動でチェックできる範囲を拡大する。このため、経理担当者による差し戻し作業を削減するほか、重複した領収書の検知、経費の不正受給、水増し発注・キックバックなどによる横領といったリスクを防止できるとしている。これらの機能は、2025年2月の提供開始予定。 このほか、QAを自動化するチャット機能により、24時間365日体制でユーザーサポートを強化可能。AI-OCR画像解析結果、経費精算規程、差し戻し理由などの問い合わせについて、自動で対応できるとした。また、過去のQAや差し戻し理由の分析結果を学習させることで回答内容の精度を向上させ、システム管理者・経理担当者の問い合わせ対応における業務負荷を軽減するとのこと。この機能は2025年春以降の提供を予定している。
クラウド Watch,石井 一志