山下美夢有が米最終予選会で強調する「いつも通り」 世界ランクはフィールド最上位
<LPGA Qシリーズ(最終予選) 事前情報◇4日◇マグノリア・グローブGC(米アラバマ州)◇クロッシングズC=6664ヤード・パー72、フォールズC=6643ヤード・パー71> 原英莉花も現地で調整!【写真】 日本の“絶対的エース”が、いよいよ米国女子ツアーの来季出場権をかけた予選会(Qシリーズ)に挑戦する。これまで国内専念を強調してきた山下美夢有は、海外メジャーや8月の「パリ五輪」を経て、米ツアーへの想いを強くした。「(米ツアーで)いけるなと思えた部分も少しあったし、足りない部分や課題もあった1年だった。この予選会をいい成績で終わりたい」と見据えている。 「10月8日時点の世界ランキング75位以内」の資格で最終予選からエントリー。その資格では岩井明愛・千怜のツインズなど4人が該当するが、現在14位につける山下がフィールド最上位だ。今季海外メジャー「KPMG全米女子プロゴルフ選手権」で2位タイ、パリ五輪ではメダル争いの末、4位タイ。国内ツアーではメジャー3勝を含む13勝を数える。 そんな実績とともに乗り込み、周りからの期待も承知している。「いつも通りのプレーで頑張ろうという感じです」。少しの緊張感がありつつも、この“いつも通り”を繰り返す。 QTといえば5年ぶりの出場だ。日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)プロテストに一発合格して迎えた2019年の日本のQTでは、13位に入ってレギュラーツアー出場権を獲得した。「覚えています。めっちゃ緊張したイメージしかないです(笑)。プレーしたらあまり考えることなく、いつも通りだった。やりきることしか考えていない」。アラバマでも当時と同じように過ごすつもりだ。 3年連続の年間女王戴冠を逃した今季については「調整ができていなかったというか、完璧に仕上がったというのがなかったので苦しかった」と振り返る。ただ、秋以降に挙げた2勝や「海外に来るたびに体調を崩すことが多かったけれど今回はいい状態」というコンディションは背中を後押しするはず。「あとは迷わずに打つのが大事。いつもと変わらず。そのままのプレーができれば」と意気込む。 これだけの実績をもってしても全員が同じ位置からのスタートで、上位25人がツアーメンバー入りを果たす。「5日間長いので、いかにボギーを少なくするかというのが重要。マネジメントをしてチャンスがきたらバーディを取っていきたい」。今季のパーセーブ率は91.8519%で日本ツアー1位。“いつも通り”の90ホールを過ごすことができれば、その道はきっと開かれるはずだ。(文・笠井あかり)