OpenAIが日本で始動、日本法人社長に就いた長崎忠雄氏の思いとは
「生成AIは業務の生産性を大幅に向上させることができる」(ServiceNow Japan 常務執行役員 COOの原智宏氏) 米ServiceNowの日本法人ServiceNow Japanは先頃、同社のPaaS「Now Platform」の最新版「Washington, D.C.」の提供開始と、自社開発の生成AI「Now Assist」の展開について記者説明会を開いた。原氏の冒頭の発言はその会見の質疑応答で、生成AIによる業務の生産性向上について聞いた筆者の質問に答えたものである。 会見の内容は関連記事をご覧いただくとして、ここでは原氏の冒頭の発言に注目したい。 ServiceNowが提供する生成AIであるNow Assistは、Now Platformより同社のサービス群へと組み込む仕組みとなっている。図1が、それを踏まえた同社のサービス群の全体像である。Now Assistが最下段に記されているのは、サービス全体に組み込まれていく存在であることを分かりやすく見せている。 原氏はNow Assistについて、「当社のサービスを利用されるお客さまに早い段階から生成AIの恩恵を享受していただくために、利用形態が異なるペルソナごとにこんなことができるというロードマップ案もまとめている」として、図2を示した。 ペルソナは、さまざまなサービスを利用する従業員や顧客などの「一般ユーザー」、その一般ユーザーに応対する形で業務を行う「ライブエージェント」、そしてアプリケーションの開発を行う「ディベロッパー」の3つのタイプからなる。 原氏はNow Assistについてほかにもさまざまな角度から機能や特徴を説明した。ただ、Now Assistによって業務の生産性がどれくらい上がるのかといった話がなかったので、会見の質疑応答で聞いてみた。すると、同氏はペルソナの3つのタイプごとに次のように答えた。 「最も大きな効果が上がるのは、ライブエージェントだ。お客さまの中にはすでに40%台半ばの生産性向上を達成したとの実績も挙がっている。社内では50%超を目指している。一般ユーザーについては定量化しづらい面があるが、複数のお客さまからいただいている声では20~30%の生産性向上が図られている。ディベロッパーについても多くのお客さまがアプリケーションの自動生成に取り組んでおられるが、生産性については調査中で分かり次第あらためてお伝えしたい」 冒頭の発言は、このコメントの意をくんで「生産性を大幅に向上」と表現したものである。 ライブエージェントについては、例えば顧客対応の場合、営業窓口やコンタクトセンターが当てはまるだろう。ディベロッパーの場合は、ローコード/ノーコード開発ツールとの関係性が気になるところだ。 いずれにしてもNow Assistは、さまざまな業務において生産性向上が期待できそうだ。今後の成果に注目していきたい。