ヤンキースがマー君資金確保 A・ロッド出場停止で
(3)贅沢税回避に成功か 11年連続で規定額を超過し、贅沢税を払い続けているヤンキースは、その規定額が1億8900万ドル(約197億円)に引き上げられる今季、総年俸を規定額に納めることを目標に掲げていた。このため、沸騰するマー君争奪戦において、得意の“マネーゲーム”に打って出ることができない事情を抱えていた。だが、ロドリゲスの年俸支払いを“免除”された現時点での総年俸は、1億5147万8000ドル(約153億円)。目標額を十分に下回り、田中の希望年俸とされる1300万ドル(約13億円)を加えても、入札金は、贅沢税から除外されているので、目標予算内に抑えられる金額だ。 ■100億円を節約したヤンキース ニューヨークポスト紙は、この日、今季総年俸を規定内に納めることで、「今季と来年の2年間で、ヤンキースは総額にして、実質1億ドル(約100億円)を節約できるだろう」と報じている。これで、田中の長期契約ビジョンにも、余裕が生まれることだろう。 まさに経営の面から見れば、ロドリゲスの出場停止処分は、ヤンキースにとっては“ウハウハ”の裁定となった。ポスティング新ルールの制定の遅れから始まり、マー君の移籍問題は、長引いているが、“足枷”のなくなった本命、ヤンキースが、一気に勝負に出て交渉を前に進める可能性が出てきた。