韓国警察、チェジュ航空事務所や空港を家宅捜索-事故原因究明へ調査
(ブルームバーグ): 韓国警察は昨年12月29日に務安国際空港で発生したチェジュ(済州)航空機事故を巡り、空港と複数の事務所を捜索した。事故原因を解明するための捜査の一環だ。
警察の広報担当者は電話取材に対し、全羅南道の捜査官が同空港と釜山地方航空庁の務安出張所、チェジュ航空のソウル事務所を2日午前9時から家宅捜索したと明らかにした。
事故機は務安国際空港に胴体着陸したが滑走路を外れ、コンクリート製の構造物に激突して炎上。乗客・乗員181人のうち179人が死亡した。この数分前に、管制塔はパイロットにバードストライクのリスクがあると警告していた。
韓国史上最悪となったこの航空機事故について、原因解明と責任追及を目的に警察は捜査を進めると、広報担当者は説明。2日の捜索は聯合ニュースが他社に先駆けて報じていた。
事故でチェジュ航空の財務状況を巡る懸念も浮上している。ただ、同社の広報担当者は以前に比べ予約のキャンセルが増えているものの、新規予約も入っているとして、流動性にリスクはないと主張した。
同社が昨年11月に当局に提出した文書によると、9月末時点で支払い済みの予約航空券は約2600億ウォン(約280億円)に上っていた。いまやこの一部は、顧客に返金しなければならない可能性がある。冬季の運航は10-15%減便する予定で、減便は来週から始まる可能性があると、広報担当者は述べた。
警察の捜査とは別に、韓国の国土交通省も米国の国家運輸安全委員会(NTSB)やボーイングの協力を得て、回収したコックピットのボイスレコーダーとフライトデータレコーダーの解析を中心に事故を調査している。
国土交通省航空政策室のジュ・ジョンワン室長は2日の記者会見で、ボイスレコーダーのデータは完全に取り出すことができたと発言。複数の当局によると、データには事故までの2時間のパイロットの交信記録とエンジン音などが含まれているという。