40代、50代でも珍しくない「突然死」最大の原因と対策、忙しい現代人にははまりがちな落とし穴とは…万が一の事態を避けるため、心がけたい2つの行動
発見者を見ても、家族が一番多いわけではなく、知人が家族の数を超え、行政による発見も少なくありません。 やはり倒れてからすぐに見つけてもらえるかが、大きなカギとなります。 数として多い心筋梗塞の場合を考えてみます。 発症してから6時間といわれるいわゆる「ゴールデンタイム」のうちに病院で治療が開始できるなら、救命できる確率は9割を超えるとされています。発症後4~5時間以内なら血栓溶解療法(tPA)、その後も数時間はカテーテルを用いた血管内治療など、積極的治療の選択肢が残っています。
1人暮らしだと、この「ゴールデンタイム」を逃してしまう危険が増えるということなのです。 ■1人暮らしでもリスクを減らす対策 突然死は入浴時のほか、就寝時にも見られます。1人暮らしの方、また家族と暮らしている方でも入浴時、就寝時における対策として、筆者が以前からお伝えしているのは、スマートフォンをつねに持っておくこと。そして、フル充電しておくことです。 入浴時には、できれば浴槽までもっていってほしく、それが難しくても、すぐ手に取れる場所には置いておいてほしいと思っています。
入浴時間がつい長くなりそうという方は、持ち込んだスマホを使って、タイマーをセットして出る時間を決めておくのもいいと思います。お湯もあまり熱くしすぎず、40℃くらいまでにとどめると、体への負担は少なくなります。 また、心筋梗塞、脳梗塞などによる突然死の背景に脱水があることも多いので、その予防としては、浴室や寝室に水分を持ち込むこともお勧めしています。 入浴前や就寝前にコップ1杯の水を飲んでもいいでしょう。このタイミングで水分の摂取することは、血液の濃度を薄くし(いわゆる血液サラサラ状態)、血管や腎臓の負担を和らげるという直接の効果も期待できます。
夜中にトイレに立つのが嫌で水分を控えている、という高齢者の話をよく聞きます。そちらも気になるのはわかりますが、脱水のリスクもちゃんと考えてほしいところです。 さて、万一、あくまで万一ですが、ご家族や知人が倒れていた、あるいは息をしていないことがわかった後の対処法について、お話しします。 人が死んでいるかどうか――この判断はとても難しいです。ですので、その場に遭遇したら、躊躇なく救急車を呼んでください。もちろん、かかりつけ医がいて、すぐに連絡を取れるのであれば、それが理想です(心臓マッサージなどをするなどの方法もありますが、今回は触れません)。