自分の車にステッカーを貼るだけで広告収入が!?『CheerDrive』を本誌記者が体験してみた
私、しがないフリーライターです。そんな私に、「車を持っていますよね。車を使って、1つ体験ルポをお願いしたいのですが」と編集者から連絡が。 【ステッカー貼っているのに…】すごい…車内から見ると透けてみえるシースルーステッカー 「車のボディに広告のステッカーを貼って走ってもらいたいんです」 言葉は丁寧だが、有無を言わさぬ編集者さんの圧を感じます。車に広告のステッカーって、メチャクチャ恥ずかしそう。まさか私の車が〝痛車〟に……? でも、このご時世、仕事をもらえるならそうも言っていられない。「喜んで!」と二つ返事で受諾しました。 体験するのは『CheerDrive』という車を使った広告サービスで、ステッカーを車に貼ることで報酬を得られるものだそう。車を使った広告は、公共のバスの車体では一般的だし、レッドブルの缶を背負ったようなミニ、ホストの宣伝で最近話題の光り輝くアドトラックまでいろいろとある。この『CheerDrive』とはどういうものなのだろうか。 編集者さん曰く、「自分の持っている車にステッカーを貼って走るだけで、その距離に応じてお金がもらえるんです」ということらしい。『CheerDrive』を体験するには、先ずアプリをダウンロードすべしとのこと。アプリストアで検索するとすぐに出てきた。「好きな商品、ドライブで応援!」がキャッチコピーだ。《CheerDriveは「車に好きな商品やサービスのステッカーを貼って走行する」ことで企業や団体を応援し、お礼として走行距離に応じた副収入や特別な特典を得られるサービスです。》と説明されている。 ダウンロードして新規アカウント登録をする。メールアドレスを登録し、そこに送られてきた本登録に必要な認証をして、ログイン可能な状態になった。そして、ルート計測が可能なように「位置情報へのアクセスの許可」を求められる。次にドライバー情報を打ち込む。生年月日・住所・携帯電話の番号を記入し、それに加えアプリ内にあるフォトフレーム内で免許証の表裏を撮影した。ここまで、数分程度の作業で、容易いものだ。 翌日、『CheerDrive』より《登録内容が承認されました》とのメールがあった。承認されて、参加できるキャンペーンを見てみると、「報酬型」と「支援型」が選べるようで、それぞれにいくつかのキャンペーンがあった。 私が参加する『JOYSOUND』のキャンペーンは「報酬型」で、広告主のステッカーを貼って走行することで距離に応じて報酬が得られるものだ。「支援型」は、途上国へのワクチン支援や推しのプロスポーツチームのステッカーを貼って〝支援〟することで、走行距離などによって限定グッズがもらえるものらしい。例えばワクチン支援のキャンペーンでは参加するために2000円~3500円費用がかかるが、経費を除いた参加費はワクチン支援のために寄付され、300㎞走行を達成することでポストカードなどがもらえる。さらにステッカーを貼ることでこの運動を「応援」できるのだ。 私の場合、ステッカーはすでに編集者の手元にはあったが、通常はキャンペーンの参加登録後に数日で郵送されてくるようだ。ステッカーは、約30cm×40cm×2cmの箱の中に折り目のつかないように入っていた。赤と白が目立つ《カラオケ好きが乗っています JOYSOUND》と書かれたステッカーは縦23cm・横90cmの大きなものだ。これをリアガラスに貼るということらしい。その目立ちそうなステッカーに若干尻込みしたが、考えてみれば当たり前で、目立たなければ意味がない。 ステッカーと同梱で送られてきた説明書やアプリ内での説明に沿って、実際にステッカーを貼ってみた。ストレッチのきいたステッカーを台紙から剥がすと、粘着する面には少し凹凸がある。横長のステッカーのため途中に気泡が入ったりもするが、何度もやり直せるので、不器用を自認する私でも綺麗に貼れた。びっくりしたのは、後部座席から振り返るようにリアガラスを見ても、なぜだかステッカーが透けていて目隠しにならないこと。おかげでバックミラーのビューを損なうことはなさそうだ。 その後、キャンペーン参加開始のため、アプリ内のフォトフレームで、ナンバープレートが見える写真、キャンペーン開始時の総走行距離を写した写真、そして実際にステッカーを貼ったことが分かる写真を撮影し、送信すると、すぐにその総走行距離をスタートとしてキャンペーン開始の連絡があった。 《カラオケ好きが乗っています》の文字をリアガラスに背負っているので、最初は「後続の車の運転手がどう思っているのだろう……」と気にもなったが、すぐにそんなことは忘れてしまった。一緒に仕事をしたカメラマンによれば、「あまり悪目立ちしてないね」とのこと。確かに、私が乗っているのは10数年落ちのセダンでリアウインドウは斜傾しているため、思ったほどのインパクトはないかもしれない。ミニバンやSUVならば、もっと効果的に後続の車にもアピールするだろう。 説明書にステッカーは熱には弱いとの記載があった。車を使っている間には、気温30度台半ばの猛暑日や、運転していても前が全く見えないゲリラ豪雨も経験したが、剥がれるような様子は全くなく、端のほうが少し波打つように浮いてきたことがあったが、指で押さえると、再びガラスに密着した。 キャンペーン期間は1ヵ月だったのだが、原稿の締め切りがあるので私は10日間だけ、いつものペースでステッカーを貼った状態で車を使用した。走行完了の申請は開始時と同様に、ナンバープレート、総走行距離、ステッカーを貼り続けていたことなどが分かる写真などを撮影し、送信した。走行完了後にステッカーを剥がすと、特に固着して面倒なわけでもなく、跡が残るわけでもない。綺麗なものだった。 走行完了の申請後の通知によれば、車を使わない日もあったが、それも含め10日間で計356km走行し、獲得ポイントとしては1068ptと表示された。1km走行あたり3pt。そのポイントの付与率はドライバーズランキングによって変わるようだ。私はブロンズなので1km走行あたり3ptだが、ランクがプラチナであるドライバーならば、1km走行あたり5ptになる。 そして、1ptは1円に換金できるとのことだ。概ね3倍することによって私が1ヵ月間走った場合を想定すると、報酬の対象となる走行距離の上限いっぱいである1000㎞以上走れることとなり、ブロンズの報酬の上限である、3000円を獲得できることになる。プラチナなら5000円だ。 後になって注意事項を確認してみると、期間内での総走行距離が100kmに満たなかった場合には、ステッカー原材料費として1000円請求されるとのことだが、車を普段使いしている人なら1ヵ月で100kmくらいは乗るだろう。 報酬がもっと欲しいという人もいるかもしれない。しかし、’21年のデータだが楽天ポイントについて言えば、年間利用料金10万円未満のユーザーが多いとのこと。つまり、通常100円につき1ptが加算されるとして、年間で得られるポイントは1000pt未満しか貯まらないことになる。そう考えれば、『CheerDrive』はかなり魅力的だ。 銀行に預金をしても利息などほとんどつかず、ガソリンも超高騰している現在。アプリをダウンロードし、キャンペーンに加入手続きをして、送られてきたステッカーを貼る、あとは普段の通り行動をするだけ。何の努力も要らない。それで10日間で現金換算1000円強の副収入になり、ガソリン代の足しにはなる。これをどう考えるかということなのだろう。
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