学生アルバイトなど“働き控え”解消なるか 年収“103万円の壁” 自民・国民が個別協議を開始 福岡の飲食店では…人手不足に懸念
いわゆる年収「103万円の壁」の見直しなどを巡り、自民党は14日、国民民主党と個別の協議を始めました。 今回の年収の壁について福岡の現状を取材しました。 衆院選で議席数を4倍に増やし、強気で与党との交渉に臨んでいる国民民主党の玉木代表。 ◆国民民主党 玉木代表 「交渉が始まる前から譲る気は全くありません」 そこで注目されているのが「103万円の壁」。 年収が103万円を超えると所得税がかかり始める、いわゆる「年収の壁」の見直しです。
制度の見直しは私たちにどのような影響を及ぼすのか、福岡市中央区の飲食店「しちみ」を訪ねました。 旬の食材を使った創作和食が人気のお店ですが、店長が年末に向け頭を悩ませていました。
◆しちみ 井口真里奈 店長 「働きたいけど時間は短くじゃないと。『9時まででお願いします』とか多い。9時以降もお客さんは来るので、(スタッフに)あがられると入れている意味がない。年末年始も店を開ける予定なので、このままではまずい」。 学生アルバイトを多数抱えているこのお店。 その学生アルバイトは、年間の所得が103万円を超えると所得税が発生するだけでなく、親の扶養からはずれ、親が負担する税金が上がってしまうこともあるため、年末には「働き控え」が起きてしまうのです。
◆アルバイト(大学3年生) 「最近、みんな扶養のことを気にしていて」 Q.扶養の話が出ますか? ◆アルバイト(大学3年生) 「出ます。『扶養やばい』とか『(時間が)削られとる』みたいな」 ◆アルバイト(大学2年生) 「親が税金を払っているから、自分は103万円を超さないようにと。制限が見直されて考えなくて良くなればいろいろ計算しないで済むし、もっと自分のことに使えるお金が働いた分だけ増えるので、その方が嬉しい」。
店では人手不足のため系列店から応援に入ってもらっていますが、そのアルバイトも学生のため、結局103万円の壁にぶつかってしまうといいます。 2週間単位でシフトを調整し対応していますが、人手不足が解消できず、意欲がある人ほど稼げないという悪循環に。 店長は、103万円の壁の見直しで働きたい人が効率的に働けるようになって欲しいと話します。
◆しちみ 井口真里奈 店長 「店に協力したいとヘルプで来てもらっているのに手伝えない。深夜手当で10時以降は給料が上がるのに効率よく稼げない」 国民民主党は、この所得税がかかり始める金額を178万円にまで引き上げるよう主張しています。 働き方を変え、人手不足の解消につなげることができるのか、今後の国会での動きが注目されています。
テレビ西日本