監督がいないと子供達はどう行動する? 続出する「スポーツ界のハラスメント」と向き合うヒント
指導者は指導者としての取り組みにもっと集中できる環境
こうした経験を通して逆に子どもたちも監督が普段行っていることの大変さや、指導者がいることの大切さに気づくきっかけにもなるだろう。そしてこれまで指導者が必死になってやっていたことを、時に度を超えるほどの圧力でやらせようとしていたことを、子どもたちだけで問題なくできるのであれば、指導者は指導者としての取り組みにもっと集中して、力を注ぐことができるではないか。 「監督がベンチに入らない大会も、監督がいたらさらにスムーズで楽しくって、強いチームになれたらいいですねっていうのが私からのメッセージでもあります。子どもたちが主体的にいろいろ考えて試合をする機会が今まで多分なかった。だからすごくいい機会になったのではないかなと感じています」 ハラスメントのようなアプローチがなくても、毅然とした指導はできる。 子どもたちが主体となった取り組みをしても、さまざまなアドバイスを送ることはできる。スポーツが持つ本来の素晴らしさを損ねることなく、チームとして共通の目的に向けて切磋琢磨をするためにできることを模索・追及していく。そんなつながりが全国津々浦々へと広がり続けてほしいものだ。 <了>
インタビュー・構成=中野吉之伴