全豪栄冠は大坂なおみか、クビトバか?海外メディア予想は真っ二つに分かれる
テニスの全豪オープン、女子シングルス決勝が今日24日、日本時間午後5時30分以降に行われ、日本勢として初の全豪決勝進出を果たした世界ランキング4位の大坂なおみ(21、日清食品)がグランドスラム連勝と世界ランキング1位の獲得という2つの偉業に挑む。 相手は全英オープンで2度の優勝経験のある同6位、ペトラ・クビトバ(28、チェコ)。両者は、過去に対戦経験はないが、クビトバは長身のサウスポーで大坂にとっては、サーブのボールの回転や軌道などに“慣れ”がない厄介な相手だ。前日練習では男子のサウスポー選手を相手に急造練習を行った。 ブックメーカーは“大坂不利”の予想をしているが、海外メディア、専門家の予想は真っ二つに分かれている。昨年の全米オープンから急成長を遂げている大坂が世界を驚かすことになるのかもしれない。
ブックメーカーは大坂不利
その道のプロが“賭け率”を出すブックメーカーはシビアにクビトバ有利の予想を出した。ブックメーカーの統合比較サイト「オッズチェッカー」によると日本時間25日の時点でクビトバの勝利が1.72倍で、大坂勝利は2.10倍。英国の大手「ウィリアムヒル」では、クビトバ1.73倍、大坂2.10倍、「ベット365」でも、大坂勝利が2.10倍で、クビトバ勝利が1.72倍となっている。さらに、ここでは、大坂のストレート勝ちは3.4倍、フルセット勝ちは5倍、クビトバは、ストレート勝ちが2.75倍、フルセット勝ちが4倍。第1セットを先制する倍率は大坂が2倍、クビトバが1.72倍とされた。 ほんのわずかだがクビドバが有利の予想だ。 ただ海外メディアの見立ては五分五分だ。 英国メディアのテレグラフ紙は、「我々の予想は?」との見出しを取って予想記事を掲載した。 記事では、両者が初対戦で勝者がシモナ・ハレプ(ルーマニア)に代わって世界ランキング1位になることを伝えた上で、まずは大坂の戦いから紹介。 グランドスラムで初優勝を果たした選手が次のメジャー大会でも決勝進出したのは、2001年のジェニファー・カプリアティ(アメリカ)以来であり、準決勝のカロリナ・プリスコバ(チェコ)戦では「灼熱の屋外気温のため閉じられた屋根の下、残忍な強打を誇示し、56本のウィナーを放ち」フルセットで勝利し、マグダ・リネッテ(ポーランド)、タマラ・ジダンセク(スロベキア)、謝淑薇(台湾)、アナスタシア・セバストバ(ラトビア)、エリナ・スビトリナ(ウクライナ)を打ち破ってきた中で、3セットを落としていることを伝えた。 対してクビトバは準決勝でノーシードのダニエル・コリンズ(アメリカ)を7-6、6-0で下して「この2週間で1セットも失わず」に決勝進出を果たしていることを紹介。 「彼女は決勝まで11連勝。チェコ選手として1987年のハナ・マンドリコワ以来となる優勝を狙っている」と説明した。そして肝心の勝者予想に関しては、「決めるのは難しい。両選手ともいくつかの試合で彼らのベストのプレーをしており、中立の立場で見れば、どちらが勝っても妬まれることはないだろう。ただ我々はクビトバが3セットで僅差勝ちとする」と、フルセットの末、クビトバが勝利するとの見解を示した。 ただ同紙では、同時に読者投票による優勝予想も明らかにされており、英国ファンの予想は、大坂勝利が63%、クビトバ勝利が37%となっている。 大坂の試合後のユニークなコメントや懸命なコートでの姿、そしてチャーミングな仕草は海外でも大人気でファンの期待度が反映された読者予想となっているようだ。 米国のスポーツ専門メディアのESPNは、5人のテニスの専門家による決勝戦前の予想、解説を掲載した。 アンドレ・アガシ、レイトン・ヒューイット、シモナ・ハレプというトッププレーヤーの専属コーチを務めたダレン・ケーヒル氏は、「どちらが(ゲーム中の)イライラをコントロールし、それを上手く扱えるか。ペトラは、WTAで素晴らしくプレーをしてきて(前哨戦の)シドニー国際でも勝利を収めた。一方のなおみも、ここまでの歩みがすべてを物語っている。彼女は、去年のこの時点で世界70位だったが、今は世界1位になるチャンスがある。2人は最高のヒッター。相手の手にあるラケットを弾き飛ばすことのできる選手たちだ」と評価した上でクビトバの勝利を予想した。 セリーナ・ウィリアムズのコーチを務めるパトリック・ムラトグルー氏は、「一番のカギは感情面だろう。両選手ともにパワーがあり、とても速くプレーする能力がある。どれだけ彼女らが精神的にアグレッシブに行けるか。感情的な状況をどのように扱えるかが勝敗を左右する」と、ポイントを語った。つまりメンタル勝負となる予想で、彼の予想は大坂の勝利だ。 元シングルス、ダブルスで世界50位に入った実績のあるジル・クレイバス氏は、「クビトバは上がってくるボールをとてもうまく捉えている。彼女は、(大坂より)少しだけより正確に、フラットにボールを打っているように思える。時々、大坂は、ベースラインのサイドからサイドへと走って(いる姿が見られ)、もし彼女が、それをすれば、クビトバが試合をコントロールしているように見受けられるだろう」と分析。クビトバが試合を支配すると読みクビトバのV予想とした。