台湾第2野党トップの柯文哲氏起訴で党反発「でっち上げ」 収賄罪で懲役28年6月求刑へ
【台北=西見由章】台湾の台北地方検察署は26日、汚職容疑で捜査していた第2野党「台湾民衆党」トップの柯文哲主席を収賄や不正利益供与などの罪で起訴したと発表した。懲役計28年6月を求刑する意見も付けた。 民衆党は26日に記者会見し、「まともな証拠はなくでっち上げの罪による政治迫害だ」と柯氏の潔白を改めて主張した。同党は立法院(国会に相当)でキャスチングボートを握るが、柯氏の起訴を受けて党勢後退は不可避だ。党創設者の柯氏は党主席を辞任する意向を表明している。 起訴状によると、柯氏は台北市長だった2020年以降、商業ビル開発を巡り企業側の依頼を受けて容積率を不正に引き上げ、企業に約121億台湾元(約580億円)の不正な利益を供与した。また22年10~11月、この見返りとして企業側から賄賂を受け取るなど計1710万台湾元(約8200万円)の賄賂を得たとされる。 このほか柯氏が立候補した今年1月の総統選を巡り、自らが関係するPR会社への支払いを装うなどの手段で、政治献金計約6834万台湾元(約3億2800万円)を横領したとして公益横領罪にも問われた。 民間シンクタンクの台湾民意基金会が12月に実施した世論調査では民衆党の支持率は11・9%と、1月の総統選直後の22・5%から大きく下落している。 ただ民衆党が立法院(定数113)で保持する8議席はいずれも比例代表選出で立法委員が離党すると党候補者が繰り上がるため、民衆党がキャスチングボートを握る構図は28年の立法委員選まで続きそうだ。