2023年「冬の賞与」はどのくらい?何ヶ月分もらえそうでしょうか?
会社員にとって、冬の賞与は年末の大きな楽しみの1つです。2023年の冬の賞与がどのくらいになるか、気になるところでしょう。賞与の額がどの程度になるかを知ることは、個々のマネープラン策定にも役立ちます。 本記事では、2023年冬の賞与の見通しについて解説します。上場企業における賞与の傾向や全産業の平均支給月数を紹介し、2022年とも比較します。2023年冬の賞与についての情報を得て、より良い年末の計画を立てる際の参考にしてください。
賞与とは
賞与とは、業績や個人の貢献度に応じて、企業から従業員に支払われる一時的な報酬を指します。年に数回、特定の時期に支払われることが多く、日本では夏と冬の年2回が一般的です。 賞与は、従業員のモチベーション向上や生活の質の向上に寄与するとともに、企業の業績を反映する重要な要素です。このため、企業によっては業績に応じて賞与の額が大きく変動することもあります。 賞与は従業員の年収に含まれ、給与と同様に所得税や社会保険料の計算対象です。したがって、賞与を受け取る際には、その額に応じて税金や保険料が控除されることを理解しておく必要があります。 企業によっては、賞与の支払いが固定されている場合もあれば、業績連動型で変動する場合もあります。
2023年冬の賞与の見通し
2023年冬の賞与は、働く人々にとって大きな関心事です。経済状況や企業業績により、賞与の見通しは異なります。 本項では、特に上場企業における賞与の動向と、全産業を通じた賞与の平均支給月数に注目し、2023年の冬の賞与がどのような傾向にあるのかを検証します。個人の賞与計画や年末の予算立ての参考にしてください。 ■上場企業ではおおむね増加の見通し 一般社団法人労務行政研究所が10月4日に公表した「東証プライム上場企業の 2023 年 年末⼀時⾦(賞与・ボーナス)の妥結⽔準調査」によると、東証プライム上場企業を含む全産業187社ベースで、平均賞与額は80万28円と予測されています。これは前年同期比で1.5%の増加を示し、1970年の調査開始以来、初めて80万円台に到達する見込みです。 しかし、産業別に見ると賞与額には大きな差があります。とくに自動車関連産業では比較的高額な賞与が予想される一方で、サービス業などでは比較的低い水準にとどまることが予測されています。 具体的な数字として、前年度(令和4年度)の調査対象産業全体での平均賞与額は39万2975円で、産業による賞与額は6万7605円から80万5880円と非常に大きいです。このように、2023年冬の賞与は全体的には増加傾向にありますが、産業ごとに賞与額に大きな差がある傾向にあります。 ■全産業を集計すると2.56ヶ月分支給される 2023年冬の賞与に関して、全産業を集計すると平均で2.56ヶ月分の賞与が支給される見込みです。 産業別に見ると大きな差があります。鉄鋼産業では平均3.08ヶ月分、約92万5125円の賞与が予想されていて、業界全体で見ると比較的高い水準です。一方、電力業界では1.82ヶ月分、約73万5200円となり、他産業と比較してやや控えめな見込みとなっています。 このように、2023年冬の賞与は産業によって大きく異なることが分かります。鉄鋼業界のように高い水準の賞与を支給する業界もあれば、電力業界のように控えめな水準の賞与を設定する業界もあり、それぞれの業界の市場状況や業績が影響していると考えられるのです。 ■2022年に比べるとやや増加傾向にある 2023年の冬の賞与は、2022年と比較して全体的にやや増加傾向にあります。具体的には、全産業を通じて平均で1.5%の増加が見込まれています。これは、業界や企業の業績回復の影響を受けたものです。 ただし、この賞与の増加率は同期間の物価上昇率3.0%に比べると低く、物価上昇のスピードに完全に追いついているわけではありません。特に、消費者物価指数の上昇によって生活費が増えている中で、賞与の増加がそれをカバーしきれていない可能性があります。 業種間の差が大きいことも注視すべき点であり、賞与の増加傾向は業界によって大きく異なります。