「天皇の祖先」はどこから来た? ルーツは「朝鮮半島」!? 日本と韓国の「神話の共通点」とは【古代史ミステリー】
「天皇の祖先・ニニギノミコトが、天から降臨した」との神話は、よく知られるところだろう。しかし、これとよく似た降臨神話が、じつは韓国にも伝えられているのをご存じだろうか? この両者の類似は、「日本人のルーツ」にも関わっている可能性がある。いったい、どういうことなのだろうか? ■布団のようなものに包まれて「降臨」した天皇の祖神 本稿は、日本の建国神話についての記事である。ただし、ここでは『古事記』や『日本書紀』に記されたお話を元としているため、あくまでもヤマト王権にまつわる建国神話であることをお断りしておきたい(筆者は、ヤマト王権に先行して、九州北部に邪馬台国があったものと認識している)。 まずは、『日本書紀』本文に記された一文に注目。そこには、端的に言うと「皇孫たるニニギノミコトを真床追衾(まとこおうふすま)に包んで降臨させた」とある。 ちなみに、真床追衾とは掛け布団のようなもので、これに天孫を包んで、天(高天原)から地上(葦原中国)へと降ろしたという。 もちろん、史実として「天」があるわけもなく、そこから人あるいは神が地上へ降臨するなどありえない。それでも、その神話が示唆するところまで無視するわけにはいかないだろう。そこには必ずや、史実としての何かが潜んでいるものと考えられるからだ。 ■「どこに降臨したか」ではなく、「どこから降臨したか」に注目してみる この神話は、「真床追衾で降臨した」という状況自体が問題視されることは少なかった。むしろ、「どこに降臨したのか」についてのみに注目が集まり、侃々諤々の議論が繰り広げられてきたというのが実情である。 しかも、そのほとんどが、「宮崎県高千穂町」か、「高千穂峰(宮崎県と鹿児島県の境)か」の二者択一に終始。他地域はほとんど顧みられることがなかったというのも、奇妙といえば奇妙である。 筆者が注目したいのは、その前段階。いったい、「ニニギノミコトがどこからやってきたのか」、そこに焦点を当ててみたいのだ。 『記紀』には、単に「天」あるいは「高天原」と記されているゆえか、そもそも議論の余地もないかのように話題にされることも少なかった。 しかし、これはおかしい。「どこからやってきたいか」のほうが重要ではないだろうか。端的に言えば、筆者はこれを「朝鮮半島」ではないかと考えているが、果たして?