ブロック塀に挟まった2匹の子猫…取り壊しを即決し4時間後に救出 福井県のアパートで関係者が団結「命のリレーつながった」
福井県越前市下太田町のアパートで8月28日午後、子猫2匹が隣地との境界にあるブロック塀同士の隙間に挟まれて動けなくなっているのを住人が見つけた。駆け付けた県動物愛護センターやアパート管理会社、大家、建設業者らの協力で塀を壊すなど救出劇が繰り広げられ、約4時間後に救出された。 同センターによると、子猫は並行するブロック塀の幅10センチ足らずの隙間に入り込み、深さ1・2メートルほどの位置で衰弱していた。管理会社担当者がその場で大家に連絡し、塀の取り壊しを即決。建設業者が急行し、カッターや削岩機で慎重に作業を進めた。「頑張れ」「もう少し」。同センターのボランティアは、ほ乳瓶で垂らした水を飲ませ、猫を励まし続けた。 ブロック上部を取り除くと、猫に手が届くようになったが、無理に引っ張れば摩擦でけがを負う。居合わせた全員で知恵を絞り、クリアファイルを隙間に差し込んでオリーブオイルで滑りを良くするなどの手を尽くした。ようやく2匹がかかえ上げられると、見守っていた住民からも拍手がわき起こった。 同センター事務局長の森中和人さん(73)は「あのままでは翌朝まで持たなかっただろう。みんながあきらめずに力を尽くしたから、命のリレーがつながった」と安堵の表情だった。2匹に首輪はなく、同センターが預かって里親を探すことにしている。
福井新聞社