【解説】なぜ…?自民修正案に公明「賛同できず」一転の“衝撃”発言 今後の“2つ”の争点とは
日テレNEWS NNN
政治資金規正法の修正協議が本格化する中、公明党の山口代表は30日、自民党が示した修正案について「そのまま賛同することは出来ない」と述べ、衝撃が広がっています。この発言について、日本テレビの小栗泉解説委員長が解説します。 公明党 山口代表(30日) 「自民党から昨日(29日)示された修正案、そのまま賛同することは出来ない。思い切った決断を求めたい」
藤井貴彦キャスター 「政治資金規正法の改正をめぐり公明党は、昨日(29日)時点では、自民党の修正案に賛成するのでは、と見られていたのですが、一夜明けたら一転、この発言でした。何があったのでしょうか?」
■公明党・山口代表の発言に与野党からは“驚きの声”
小栗泉・日本テレビ解説委員長 「山口代表のこの発言を受けて、与野党からは驚きの声が広がりました」 「まず立憲民主党の幹部です。『連立(政権)の中で、ここまで意見が分かれているのは初めてだ』と。そして、ある自民党の閣僚は『どうするの?これ。もし公明党と折り合えなければ、岸田政権終わるよ』と話しています」
■当初は“賛成する方向”で調整も…報道が出たことで強硬論も
小栗委員長 「実は29日の段階では、自民党が、新たな規正法が施行されても『3年後をメドに見直す』と盛り込むことなどで、公明党も賛成する方向で調整に入っていたんです」 「ただ、この“賛成しそうだ”ということが、報道されたことで、公明党内から『このままでは自民党と同じ穴のムジナと見られる』と強硬論が出て、自民党にさらなる譲歩を求めようと、山口代表の発言になったようなんです」 「ある公明党の幹部は『今回そもそも自民党が起こした事故。それを、もらい事故して、公明党の方が損害が大きくなるなんてことは納得できない』と解説しています」 藤井キャスター 「こうなると、自民党が何かを譲るのか、そのまま突っぱねてしまうのか…どちらになるのかに注目ですね」
■争点は…「政策活動費の透明化」と「パーティー券購入者の公開基準」
小栗委員長 「争点は大きく2つです。まず1つ目は、政党が議員に支給をする政策活動費の透明化についてです。自民党は『項目別に支出額を月ごとに公開』するとしていますが、公明党は、さらに細かく『明細書を提出し、使途を公開』するよう求めています」 「もう1つは、パーティー券購入者の名前の公開基準についてです。今は20万円を超える場合に公開となっていますが、自民党はこれを10万円超に引き下げる案を提出。公明党は、さらに資金の透明性を増すため、5万円超まで引き下げる案を強く求めています」 「自民党のある幹部は『昨日(29日)の時点で、5万円に折れておけば良かった』と。パーティー券の公開基準では、譲歩やむなしの構えです。ただ自民党内には、パーティー収入の減少に繋がるだけに拒否感も根強く、別のある自民党幹部は『譲れないものは譲れない』と話しています」