OPECが今年と来年の世界石油需要見通し引き下げ
Alex Lawler [ロンドン 14日 ロイター] - 石油輸出国機構(OPEC)は14日発表した月報で、今年と来年の世界全体の石油需要見通しを引き下げた。 最新見通しによると、今年の需要増加分は従来の日量203万バレルから193万バレルに、来年は174万バレルから164万バレルにそれぞれ修正された。 今年に関しては、中国の需要減退見込みが大きく影響。中国政府の景気刺激策が第4・四半期の需要を下支えするものの、さまざまな経済的課題やクリーンエネルギーへの移行によって消費が抑えられると予想し、需要増加分を65万バレルから58万バレルに変更した。 OPECは「大型トラックが燃料をディーゼルから液化天然ガス(LNG)に転換していることや、主として商業施設と住宅の建設鈍化による経済活動減速のため、ディーゼル消費が引き続き低調になっている」と分析した。 月報で示された9月の生産量は、リビアの政情不安とイラクの減産で落ち込んだ。OPECと非加盟産油国でつくる「OPECプラス」の9月生産量は日量4010万バレルで、8月を55万7000バレル下回った。 イラクの生産量は前月比15万5000バレル減の411万バレル。ただ依然として同国の生産枠の400万バレルより多い。 OPECはイラクのほか、OPECプラスの中でロシアとカザフスタンの生産量が生産枠を超えていると指摘した。 15日には国際エネルギー機関(IEA)が今年の世界の石油需要について最新見通しを発表する。