ゴルフブーム終息は過剰表現 ジュンのゴルフ事業が堅調を維持する理由
ゴルフウェア市場で生き残るために必要なのは「多様性」
コロナバブルの時期には新しいゴルフブランドが数多く誕生したが、その後業績を大きく落としたり、ブランド自体が終了するケースも散見された。いま支持されるブランドとは何か。太田氏は「多様性」を強調する。「弊社のゴルフブランドは、それぞれ違う形でお客様にアプローチすることができている。多様性の中でどのようにお客様に接していくかが、今後より求められる。その戦略がうまくいくブランドは生き残っていく」。自社でゴルフコース「ジュンクラシックカントリークラブ」を運営していることもあり、ゴルフのカルチャーを正しく理解していること、ファッション軸のゴルフウェアを提案できること、そして現場のニーズを吸い上げられる点も強みとしている。 今回の展示会はそのアプローチの一環として、初めて他のグループブランドと展示会場を分けた。同社はヴィジョンに「FFF(=Fashion/Food/Fitness)」を掲げており、これらをベースに新しいカルチャーを提案している。展示会も同様の考えから、同じ会場で新作を発表してきたが、客層の来場目的にズレを感じたことから、ゴルフ事業の姿勢を示すためにも、通常は入ることができない会員制のゴルフラウンジを貸し切り、取引先のブランドのシャフトを用意して実際に試打できるようにするなど、エンターテインメント性も追求した。「モノを売るということだけではなく、“ゴルフって楽しい”“いろんなカルチャーがある”という側面も知ってもらいたい」(太田氏)。 ジュン アンド ロペの2024年秋冬シーズンでは、新ライン「ノワール(NOIR)」を新たにローンチ。これまでのロゴや柄といった目を引くアイコニックなデザインからは一転、新ラインではモノトーンをベースに上質でエレガントかつベーシックなウェアを展開する。フラミンゴのロゴもブラックで統一した。価格帯は税込9350~6万500円。7月19日に同社のオンラインストア「ジャドール ジュン オンライン(J'aDoRe JUN ONLINE)」で先行予約をスタートし、8月上旬から順次販売を開始する。