ゴルフブーム終息は過剰表現 ジュンのゴルフ事業が堅調を維持する理由
「コロナ前よりも拡大している」 市場を支える外国人観光客も
ゴルフブームは本当に終わってしまったのか。ジュン常務取締役上級執行役員の太田浩司氏は、「一時の熱狂的な雰囲気はなくなったが、2019年以前から比べれば、市場としては伸びている。新規参入および休眠復活ゴルファーの中にもルーティーンとして定着した人たちはいる」とし、悲観的には捉えておらず、業績としても悪化はしていないという。 消費を支えるのは日本人だけではない。円安を“追い風”にインバウンドが盛り上がる中、ゴルフを目的に日本を旅行する外国人観光客も多いという。「日本は、1位のアメリカ、2位でゴルフ発祥の地でもあるイギリスに次いでゴルフ場が多く、富士山が見えるコースもあったりする。日本を満喫しながら、自分の好きなゴルフができる。観光の一環としてゴルフを楽しまれる観光客がいま増えている」(太田氏)。その足でゴルフウェアを購入するケースも多く、ジュンが展開する「ハイプゴルフ(HYPEGOLF)」と「サタデーズ ニューヨークシティ(Saturdays NYC)」ではまさにその恩恵を受けている。 たとえば、「ハイプビースト(HYPEBEAST)」との協業から生まれたハイプゴルフは、メディアの認知度の高さに加えて、直営店が日本にしかないことから、代官山の店舗は賑わっている。 サタデーズ ニューヨークシティはサーフカルチャーからスタートしたブランドだが、サーファーのゴルフ人口は意外と多いという。「“SURF&TURF”という言葉にもあるように、サーファーのゴルフ人口は意外と多い。誰と戦わず、自然や自身との内面との対話がベースにあるのが共通点」(太田氏)。同ブランドのゴルフウェアは日本企画の商品という点も支持につながっている。 派手な配色が多いゴルフウェアの中で、ハイプゴルフとサタデーズ ニューヨークシティが展開するシックなゴルフウェアとしての需要も強みとなっている。日本ブランドのものづくりへの評価の高さもあり、両ブランドが構える代官山の店舗はいずれも平日の売上の半分が外国人観光客で占めるケースもあるという。「ジュン アンド ロペ(JUN&ROPE)」も、ハイプゴルフとサタデーズ ニューヨークシティと客層は異なるものの、国内で活躍するトップアスリートと契約するなど、認知の高さから支持も厚い。