不動産市況が好調でも高く売れるとは限らない!納得の行く価格で「家」を売却するために売主がやるべきこと【プロが解説】
物件のメリットをアピールする方法とは?
すべてを不動産会社任せにするのではなく、売主としてもできることはあります。 買主は物件情報サイトを見て情報収集をするため、物件の説明文は非常に重要です。書くのは不動産会社の担当者ですが、その人は実際に住んでいるわけではないので、住んでみたからこそわかるようなリアリティのある紹介文は書けません。 売主のほうから「そもそも自分がこの物件をなぜ買ったのか」「住んでみて良かったのはどんなところか」などを文章にまとめて、不動産会社に渡すといいでしょう。 「雨の日でも、駅から濡れずに家に帰れる」「リビングが広々していて明るい」「駅からかなり近いけど、線路側の部屋ではないから騒音は気にならない」「晴れた日は富士山がよく見える」「高層階なので夜景が最高にきれいで癒やされる」など、具体的なメリットを挙げるのがおすすめ。 景色について言及するなら、写真を一緒に不動産会社に渡しましょう。リノベーションを行っているなら、その点も詳細にアピールを。 たとえば「トイレ・2018年に交換済み」などと書くだけより「トイレ・2018年にTOTOのハイグレード商品『〇〇(商品名)』に交換」と書いたほうが、格段に魅力はアップします。ワークスペースのようにこだわった場所があるなら、そこも売りになるでしょう。 買主は一度や二度内見しただけでは、物件について隅々まで理解することはできません。ですので、このように詳細な説明があると、俄然関心を高めてくれるものです。うまくアピールすれば、その買主は物件を「買ってくれる人」ではなく「買いたくて仕方ない人」になっていきます。そこまでいけば、高値で売却できる可能性はかなり高くなってきます。 大規模なタワマンなどは、住戸数が多いためにライバルも多くなります。戸建住宅だとまったく同じ条件の物件というのは存在しませんが、マンションだとほぼ同じ条件の部屋もあるので、同時に売り出されたときにはライバルになります。そこで差別化をするためにも、前述のようにアピールをすることが大きな意味を持ってくるのです。 長嶋 修 さくら事務所 会長
長嶋 修,さくら事務所