小型鯨類追い込み漁 和歌山・太地で初出漁
和歌山県太地町で5日、台風10号の影響で1日の解禁から延期されていた小型鯨類の追い込み網漁が始まった。同町漁協に所属する「太地いさな組合」の漁船10隻が出漁したが、初日は漁獲がなかった。 【くじらの町に「国際鯨類施設」 和歌山・太地町、鯨研の研究機関も、の記事はこちら】 この日は午前5時過ぎ、海上保安庁の巡視艇やゴムボートなどが警戒する中、漁船が太地漁港を出港。周辺では漁に反対するのぼりを掲げるなどした人が5人ほどいたが、目立った混乱はなかった。 漁船は午前9時ごろに帰港。松本修一組合長(62)によると、沖合でハナゴンドウの群れを見つけたものの、数が少なく距離も遠かったことから漁は断念。「台風で出遅れたが、初出漁できた。前期よりプラスになるよう頑張りたい」と話した。 県資源管理課によると、太地町で行われている小型鯨類の追い込み網漁は、複数の漁船が連携し、沖合の群れを畠尻湾内の入り江に誘導して捕獲する漁法。 漁業関係法令に基づいて県知事が許可しており、スジイルカやハナゴンドウなど9種類が対象。種類ごとに捕獲できる頭数が定められており、漁期はイルカ類(6種類)が来年2月末、ゴンドウ類(3種類)は4月末まで。
紀伊民報