【高校サッカー選手権】神懸った守備で聖望学園をシャットアウト!正智深谷が8年ぶりのファイナルへ
第103回全国高校サッカー選手権埼玉予選は11月10日、NACK5スタジアムで準決勝2試合が行われ、正智深谷と浦和学院が勝って11月17日の決勝(14時5分・埼玉スタジアム)で対戦することになった。正智深谷の決勝進出は8年ぶり7度目で、浦和学院は37年ぶり2度目。両校は初めて決勝の舞台で顔を合わせる。 【フォトギャラリー】聖望学園 vs 正智深谷 令和6年関東高校サッカー大会埼玉予選覇者で令和6年度全国高校サッカーインターハイ(総体)埼玉予選ベスト4の正智深谷は、準々決勝で優勝候補筆頭だった昌平を逆転で破った聖望学園との接戦を1-0で制した。 複数失点を喫し、勝負の大勢が決してもおかしくないほど前半は、次から次へと決定打を浴びた。GK森穂貴(3年)の好守にも助けられたが、相手はシュートミスが多く奇跡的にゴールを割られなかった。 得点チャンスは16分、トップ下の吉田匠吾(3年)のパスを預かったFW小西聖七(3年)が、右から打ってGKに防がれた1本だけだった。トップ下で中盤をリードする近藤七音(3年)が、浦和東との準々決勝で警告を受け、累積2度で出場停止になった影響が大きかったのだ。 だが多くのピンチをしのぎ、劣勢に耐えていた前半35分だ。セットプレーから決勝点となる先制ゴールを手に入れた。 左ウイングバック鹿倉颯太(3年)の入れた右CKが相手DFに当たり、主将のボランチ大和田悠(3年)がこぼれ球に反応して強シュート。相手に当たった跳ね返りを小西が右足で打った一撃はだふってしまったが、空中のボールを今度は左足を使ってきちんと押し込んだ。 8-0で大勝した伊奈学園との初戦の2回戦でチーム3点目を決めて以来のゴールが、貴重な決勝点となった。小西は少し照れながら「うれしかった。自分はセカンドチームの頃は左SBで、夏はボランチ、FWで起用されたのは(9月14日の)武蔵越生とのリーグ戦からなんです」と自己紹介し、「次も勝って全国選手権の舞台に戻りたい」と気持ち良さそうに話した。 中断中の県1部(S1)リーグ首位の聖望学園は、立ち上がりからマイボールにする頻度が高く、テンポ良く相手陣営に入っていった。前半2分にエースFW太仲貴哉(3年)、3分にトップ下の田中翼(2年)、8分と13分には太仲が決定的な一撃をお見舞いしたのだが、GK森の好守とシュートミスで先制できなかった。 前半の追加タイム、決めねばならぬ場面で決められなかったのだが、ここでも正智深谷の守備が神懸っていたのだ。 右から進出した右MF野元里晟(3年)のシュートをCB佐藤飛友(3年)が、まずヘッドでクリアした。次に太仲にこぼれ球を拾われ無人のゴールに打たれたが、これも佐藤が超人的なダッシュを見せ、足を思いっ切り投げ出して奇跡的に防御したのだった。 後半は正智深谷が勢いを継続したのに対し、聖望学園はチャンスを1度もつくれなかった。 S1リーグ3位の正智深谷は13、18、20、25分にFW赤川空音(3年)の2本をはじめ、MF白岩龍(3年)と鹿倉がいい形から追加点を狙ったが決め切れず、結局虎の子の1点を守り切って4度目の優勝に王手をかけた。