【ニューヒーロー列伝】吉川晴人
ブレークの予感が漂う。吉川の期別勝率は2024年前期の2・76から同後期は4・16に急上昇。先月選考期間が終了した25年前期は4・76とさらに数字を伸ばし、先月の鳴門ルーキーシリーズでデビュー初優出(2着)と成長の跡を示した。 「フライングを切らないように心掛けて、スタートの質が良くなりました」 前走の平和島一般戦では6走で3着が最高。足の仕上がりには納得の様子だったが、「道中のミスが多くて着順を落とした。(優出した)鳴門では自信がついたけど、自分の実力は足りていないというのを再確認した」と唇をかんだ。 父の昭男(51)=滋賀・70期、叔父の喜継(43)=同・92期=はともにA級で活躍中のボートレーサー。父が20年のクラシック(平和島)でSG初優出で2着に入った優勝戦を見て、同じ道に進む決意を固めた。「親には内緒で受験しました。言えば面倒を見てもらえる環境ですが、努力せずになれるような簡単な職業ではないと思っていたので、一人で頑張ろうと。試験に向けて死ぬ気でやりました」。不断の努力が実を結び、試験は一発で合格。その姿を見た父は息子を弟子として受け入れた。師匠の指導を仰ぎ、ホームのびわこでは先輩後輩たちと練習漬けの日々を過ごしている。 「叔父のレースの取り組み方も尊敬しているので見習いたい。同期も強くて頑張っているし、後輩にも負けられない。父と叔父と同じ舞台で戦いたいので、来期のA級昇格が目標。いいところを見せてお客さんにアピールしたいです」 不屈の闘志を胸に精進を重ねる吉川に熱い視線が注がれる。 (佐野友記) =次回は11月22日に掲載 ■吉川 晴人(よしかわ・はると)2003(平成15)年1月12日生まれ、21歳。滋賀県出身、滋賀支部。21年9月に129期生として選手登録。現在は福岡ルーキーシリーズに出走中。174センチ、55キロ。血液型A。