【楽天好き】楽天イーグルス創設20周年企画:東北活性化を目指す地域連携部の松野秀三さんに聞いた
日常のなかに非日常を持つことの大切さ。松野さんは、体験し、共有することで生まれるエネルギーの大きさを、思い出すように語る。
「そうしたことを一番に感じてもらえるのは、やはり試合かなと思います。僕もスタジアムのゲートをくぐったり、スタンドを見たりしたなかで、これまでの人生にはない光景を見たと感じました」。
「また、初めてフィールドに立ち入らせてもらった時のことも鮮明に覚えていて、すごく神聖な場で身が引き締まる思いでした。映画の1シーンに自分が登場したような…。それにスタンドが埋まったときの充満した熱気。ホームランに湧いた瞬間だったり、ファンの想いが伝わる雰囲気だったりは、誰にも演出できない、何よりの価値があることだと思うんです」
1人でも多くの人に試合観戦の面白さ、プロ野球選手のすごさを知ってもらい、楽しんでもらいたい。そうした活動が実を結び、「好きな球団はどこか」というアンケートを実施すると、宮城県では60~65%の人が楽天を挙げるようになったという(※楽天インサイト調べ)。
一方、宮城以外の5県では概ね20~25%だが、同じく一番好きな球団としては1位になったのだという。野球が日常ではなかった東北で、0%からの増加は見事に思えるが、松野さんは言う。
「東北で1位に挙げてもらえるようになったとはいえ、そもそも『野球に興味がない』という層が50%ほどいるので、『する』『観る』『支える』といったスポーツ文化の魅力をそういう人たちにも伝えていきたい。伸びしろかなと考えています」
もともと静岡県出身の松野さんいわく、東北は故郷と通じるのだという。「同じように山と海があって、自然が豊かで食べ物が美味しい。知るほどにおすすめしたいところが増えました」。
おすすめはと尋ねると、「南三陸や陸前高田がいいですよ。以前から復興支援でも行っていたところですが、今は道も広くなって伸びたりして、震災復興からさらにその先に進む力が感じられる地域ですから」。
取材・文:松山ようこ/写真:楽天野球団提供
松山 ようこ