『おむすび』は野球ファン必見! CPがこだわった“投手”佐野勇斗とホークスファンの変遷
NHK連続テレビ小説『おむすび』が現在放送中。平成元年生まれの主人公・米田結(橋本環奈)が、どんなときでも自分らしさを大切にする“ギャル魂”を胸に、栄養士として人の心と未来を結んでいく“平成青春グラフィティ”。 【写真】朝ドラ『舞いあがれ!』では近鉄バファローズユニフォームの変化も見どころの一つに 第2週、結は博多ギャル連合(通称:ハギャレン)からパラパラに誘われ困惑する一方で、書道部として青春を謳歌し始める。第8回では、幼なじみで野球部の陽太(菅生新樹)の応援をするため球場を訪れた結が、“カッパ”こと四ツ木(佐野勇斗)が福岡西高校に野球留学している期待の1年生ピッチャーだと知る。 そして第9話、ドラマは「プレイボール」の声でスタート。佐野の投球シーンをはじめ、臨場感たっぷりの映像で視聴者を惹きつけた。 制作統括の宇佐川隆史は「佐野さんには野球監修の方に指導いただいて、フォームを含めてみっちりと3カ月以上、練習してもらいました」とし、「実際、佐野さんは119キロまで投げられるようになりました」と、佐野の努力が作品にリアリティをもたらしていると語る。 そんな見ごたえある試合シーンに加えて、本作では松平健演じる結の祖父・永吉が福岡ダイエーホークスの大ファンとして描かれており、“野球”が物語を盛り上げる一因になっている。とはいえ、舞台は平成。Jリーグ開幕も含め、サッカーをピックアップしてもおかしくない時代に、なぜ野球だったのか。 宇佐川は「福岡には西鉄ライオンズがいて、その後にホークスが来たという歴史がある。平成といえばサッカーという部分もありますが、福岡と野球はとても縁が深いんです。そこで、“プロになるほどの選手を本気で描いてみよう”と思ったときに、やはり野球でいこうと考えました」とその理由を明かす。 さらに、「野球は全国的に知られていて、“地方の色”も出ると思っていました。全国の人々と共有できるものとして、非常に大きい項目かなと思っています」と、あらためて野球の強みを語る。「今回のドラマでは『一つ一つはシンプルだけれども、それをエンターテインメントとして本気でやってみよう』ということをテーマにしています。野球のイメージは昭和のほうがより強かったかもしれませんが、平成でもまだまだ人気があった。そして、今も第一線で人気のスポーツであり、大谷翔平選手の活躍につながっていく。そんな流れも加味して、野球を取り上げました」と付け加えた。 同じく朝ドラの『舞いあがれ!』(2022年度後期)では、ヒロインの幼なじみの父であり、お好み焼き屋の梅津優(山口智充)が近鉄バファローズの大ファンとして描かれた。店内に飾られた近鉄の応援グッズやユニフォームの数々に、チームのファンが大いに盛り上がったが、宇佐川は今作もまた「野球ファンにとって注目の作品になる」と自信を見せる。 「(当時のホークスファンは)帽子や法被を実際に身につけていたんですよ。私自身が福岡の出身なので、それは間違いありません(笑)。2004年は、最終的にはダイエーの最終年になったので、これからまた別の法被へと変化していく。そういった歴史も含めて、楽しんでもらえればと思います」 物語はまだ始まったばかり。今後も登場するであろう本気の野球シーン、さらにはホークスファンの変遷をたどるという意味でも、『おむすび』は野球ファン必見の朝ドラとなりそうだ。
nakamura omame