《電気料金高騰に克つ》光熱費を抑えつつ、自分で自分の体を温める「自家発電」のポイント 室内でも室外でも頭寒足熱を意識、夕食メニューにも工夫【医師や実践者が解説】
晴れた日は太陽光のパワーを活用して節電しよう。フジイさんは、太陽光を反射板などで一点に集めて食材を温める「ソーラークッカー」を使っている。 「市販のものもありますが、手作りも可能です。まず、片面がアルミのレジャーシートを、銀色の面を内側にして三角コーナーのように折って反射板を作ります。反射板の上に鍋敷きと鍋を置き、熱を集めるために黒いアルミ箔で鍋を覆い、耐熱ボウルで蓋をします。鍋にサーモンや鶏胸肉を入れておけば1~2時間で焼けるし、水は約90℃に温まります。そのお湯を湯たんぽに使って布団に入れておくと、寝るときも温かい」 太陽光で生み出した電気をバッテリーに蓄電すれば、家電などにも利用できる。
体を温める夕食メニューの具材の選び方
底冷えする夜は、窓に工夫をして乗り切ろう。 「熱エネルギーは窓から逃げるので、窓際対策は大事。カーテンは中綿のあるキルト生地を選び、レースのカーテンには3層構造で結露防止の断熱シートをクリップなどで留めるといい。カーテンは床につく長さにして、下からの冷気を防ぎましょう。カーテンと窓の間には、片面がアルミのレジャーシートを立てかけると、断熱効果がアップします」(フジイさん) 体を温める夕食メニューは、やはり鍋だ。具材の選び方もポイントになる。 「定番具材のねぎのアリシンや、きのこのビタミンDは免疫力を高めてくれる。玉ねぎやにんにくなど薬味を使えば、より体が温まります。豚汁もいいですね。生野菜のサラダは体を冷やすので蒸し野菜や野菜炒めにしましょう。お酒は血行を促進するので飲んでもいいですが、夏においしく感じるビールやハイボール、白ワインは体を冷やします。赤ワインや熱燗を選んでください」(石原さん)
高林さんは土の中で育つ野菜を食べるといいと話す。 「大根やごぼう、じゃがいもなど、地中で育つ食べ物は体を温めます」 食後のだんらんでは、家族に「愛している」と愛の言葉を伝え合って。 「日本人は愛の言葉をあまり口にしない国民性なので、“愛している”と言うと、恥ずかしさから体がほてり、温まります。人前で恥ずかしいことをしたときに、顔が赤くなるのと同じメカニズムです」(高林さん) お風呂はガス代を気にしすぎず、しっかり温まる。 「湯船に肩までつかって筋肉をゆるめると血流がよくなり、温まりやすい体になる。冬は41℃で10~15分ほどつかるのが目安。うっすら汗をかいてきたら温まった証拠です」(石原さん) 入浴前にスクワットや浴槽で忍者ぷるぷる体操をすると、早く体が温まる。少しでもガス代を節約したいという人は週に1~2回、半身浴をすればいいとフジイさんはアドバイスする。 「節水シャワーヘッドも併用するといいでしょう。湯量が約3分の2になるので節約になります」 寝るときは昼間と同様、頭寒足熱を意識しつつ、腹巻きをしてお腹を温めたい。 「忍者ぷるぷる体操は、布団の中でもできます。カイロや湯たんぽで肝臓周辺を温めるのもいい。肝臓は体でもっとも高温な臓器なので、温めると血流がよくなり、全身がポカポカになります」(高林さん) 工夫次第で、電気を使わずに温かく過ごすことはいくらでもできる。寒い冬を賢く、楽しく乗り切ろう。 ※女性セブン2025年1月1日号