92歳仲代達矢のレア舞台挨拶「まだ引退宣言していません」「しゃべるのは猛烈に苦手」
仲代達矢(92)が4日、東京・ポレポレ東中野で、ナレーションを務めたドキュメンタリー映画「いもうとの時間」(鎌田麗香監督)の初日舞台あいさつに出席した。 仲代が舞台あいさつに登壇するのは貴重な機会で「役者ですから、1つの役をもらえば一生懸命頑張るんですけど、自分自身が、仲代達矢がしゃべるというのは猛烈に苦手で、今日はうまくしゃべれるかどうか分かりません」とあいさつした。 12月に92歳になった仲代は「どうにかにか生き延びておりますが、まだ引退宣言はしていません。92歳まで役者をやるなんてことは毛頭思っておりませんでしたけど、あの芝居があったじゃないか、あの映像があったじゃないかと、それができなくなるのが嫌で、引退をとどめている。どうぞよろしくお願いします」と力強く語り、拍手を受けた。 役者になったいきさつを語ったり、本名元久と「もやーっとしてるから」と付けられた愛称モヤについての話題などをして、観客を喜ばせた。 同作は東海テレビ製作で、1961年の名張毒ぶどう酒事件で死刑判決を受け、無実を訴え続けながら2015年に肺炎で亡くなった奥西勝元死刑囚の妹を追った。 同局製作の映画「約束 名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯」(13年)では、仲代は奥西さんを演じており「『約束』は役者にとっては、緊張もしました。奥西さんは実在の人で、犯人と目されてる人。犯人ではないという強い信念を聞いていたけど、この役を演じてみようと受けたわけですけど、大変なことでした」と振り返った。 阿武野勝彦プロデューサー、鎌田監督も出席した。