《スマホ首が引き起こす不調》頭痛、冷え症、不眠、肩こり、腰痛…「首の位置」の問題かも そのメカニズムと改善するメソッド
スマホ首による主な症状
このせいで脳からの指令が体の器官に伝わりにくくなり、疲れや胃腸の働きが悪くなるなど内臓面の不調が起きやすくなるのです。 さらに、血流が滞ることで自律神経が乱れて心身の不調につながるばかりか、心臓から脳への血流が悪化して頭痛、眼精疲労、あくび、ふらつき、気力・集中力の低下などの症状が現れます。 また、脳に充分に酸素が取り込めないので隠れ酸欠状態となり、不安やストレスを感じやすくなり、不眠になることもあります。つまり、首のずれは全身の不調の原因になってしまう可能性が高い。大本の原因である首を整えれば、脳が活性化し、正常な身体活動ができるようになります」 では首のずれは、どのように改善できるのだろうか? 「首の後ろ側は筋肉で守られているため、押圧刺激を加えても問題ありません。後ろ側を正しく押せば、首のずれを自分で整えることができ、脳が勝手に体を治してくれます。1日5分でいいので、試してみてください。首が整えば、全身の不調が改善に向かいます!」
スマホ首を改善!首を正しい位置に整える方法
首を整えるためには、ずれている部分を重点的に押す必要がある。まずは自分の首の状態を知ること。壁と鏡を利用して確認しよう。 ◆まっすぐ立てるかチェック スマホ首かどうかは、整形外科を受診し、レントゲン撮影を行い、頸椎の状態を確認すれば診断できる。自分で確認する場合は、壁に背をつけて立って行う。 「頭だけが壁につかなかったり、頭を壁につけた姿勢を維持するのに違和感がある場合は、スマホ首になっている可能性が高い。また、壁の前に立ったとき、手の甲が体の前側にきている場合は、巻き肩で、スマホ首にもなっている可能性があります」 【GOOD】 壁にかかとをつけ、まっすぐ立つ。後頭部、肩から背中(肩甲骨)、お尻、ふくらはぎ、かかとの5点が壁につくかどうかを確認する。 【NG1】 壁に頭だけがつかない場合はスマホ首の可能性大。猫背になっていると、肩がぴったりつかず、腰に隙間ができる傾向に。 【NG2】 まっすぐ立ったとき、猫背や巻き肩になっていると、手が体側ではなく正面にきてしまうため、手の甲が見えるようになる。 ◆姿勢を改善する体操 首が前に出ている姿勢を直すには、首から上だけを動かしても意味がない。首につながる肩を大きく動かすことで全身を整え、正しい姿勢に導くことができる。 「毎日繰り返すことで正しい姿勢を保つことができる体操です(別掲イラスト)。鏡を見て行う場合は、一度体を前に出して前傾姿勢にしたあと、腰の前傾を保ったまま肩甲骨を後ろに寄せて胸を張り、肩をストンと落として。胸は張っても、腰は反らさないように注意しましょう」 【1】足は肩幅に広げ、腰を反らさないように立ち、両肩を上げる。 【2】両肩を上げたまま手のひらを前に返し、肩甲骨を寄せるように後ろに引いていく。 【3】そのまま肩をストンとまっすぐ落とす。このとき、耳、肩の中心、くるぶしが一直線上にあるかどうかを確認する。 ◆首の可動域チェック スマホ首の人は、首のカーブがなくなっているだけでなく、前後左右の骨のずれや回転ねじれなど、複雑なずれを起こしている場合がある。 「痛みの有無はあてになりません。首を動かして動きづらい場所がないかを確認しましょう」 頭を左右に傾けたり、上下左右に動かしてみて、違和感がないかをチェック。動きづらさに加え、動きに左右差がないかどうかを確認。できれば誰かに見てもらったり、動画に撮って確認するのもいい。 スマホや文庫本などを肩と耳の間に挟む。挟みづらい方の首は頸椎がずれていたり、関節が固まって可動域が少なくなっている。 ◆教えてくれたのは:上部頸椎カイロプラクター・島崎広彦さん オフィスシマザキ院長、あん摩マッサージ指圧師。1988年に東京・青梅市に開業以来口コミで評判となり、これまで約30万人を治療。著書に『首を整えると脳が体を治しだす』(アチーブメント出版)がある。 取材・文/山下和恵 ※女性セブン2024年11月14日号
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