喫茶店の「モーニング文化」発祥の一宮市 サービスはどのように広まった!?
喫茶店のモーニング文化が有名な名古屋。実は「モーニングの発祥は愛知県一宮市」であることは今や広く知られています。 では、なぜ一宮でモーニングが生まれたのでしょうか。今回は一宮がモーニング発祥の地となった背景に迫ってみました。
商談の場や仕事の休憩場所として賑わった一宮の喫茶店文化
名古屋市の北西に位置する一宮市は織物の一大産地。最盛期の昭和の頃には昼夜問わず生地を作る織機が動いていました。 工場内でたくさんの織機が音を立てて稼働する中で「休憩くらいは静かなところで過ごしたい」「うるさくて商談に集中できない」ということから近くの喫茶店を利用する人が多くいたそう。 当然その利用頻度も高く、昼夜を問わず一宮の喫茶店は賑わっていたそう。 一宮市の商工会議所が2009年に設立した「一宮モーニング協議会」によると、最古のモーニングサービスは1956年。「三楽」という喫茶店が最初にモーニングサービスを提供したと言われており、半世紀以上前から受け継がれてきた文化であることが分かりますね。
商工会主体で一宮のモーニング文化を盛り上げる
一宮市がモーニング文化を広めるため、2007年に「第1回一宮モーニンング博覧会」を開催。この活動を本格化するため、2009年には一宮商工会議所が主体となり「一宮モーニング協議会」を設立。「一宮モーニングプロジェクト」の一つとして毎年「モーニング博覧会」を開催するなど、精力的に活動しています。 同団体が発行している「一宮モーニングマップ」には、一宮市内のモーニングを提供している飲食店が100店舗以上オールカラーで掲載されています。モーニング好きにはたまらない一冊ですね。 さらに掲載されている飲食店のモーニングを食べ、スタンプを押してもらうと、スタンプの数でマイスター賞や達人賞、モーニング賞などの称号が与えられるという、一宮市のモーニング盛り上げ企画も。 こうした活動に対して、一宮商工会議所は「令和5年度 知財功労賞 特許庁長官表彰」を受賞。全国515の商工会議所の中で初めての受賞で「一宮モーニング」は一宮市にとってまさに地域資源として今後も知れ渡っていくことでしょう。