夏休み前に知っておきたい旅のコツ。”虚弱バックパッカー”が教える
旅の醍醐味は、今いる環境から飛び出し、全く違う環境のなかで過ごせること。 特に国境を越えれば、気候も食文化も、価値観も、何もかもが違う。新たな発見があるものです。 【マンガ】まえだなをこさんの旅漫画『おいしい台湾ひとり旅』を読む 『おいしい台湾ひとり旅』は、著者であるまえだなをこさんが、実際にひとりで台湾を旅する様子をリアルに描いたコミックエッセイ。 今回は様々な国を旅したまえださんに、「旅の楽しさを伝えたい」と思った理由や旅の魅力について話を聞きました。
旅することのハードルを下げたい
――読んでいると台湾に行きたくてワクワクするような漫画でした。旅を共有したい、旅へのハードルを低くしたいという気持ちで描いているとのことですが、そう思うようになったきっかけはありますか? まえだなをこさん(以下、まえだ):旅する人が世の中に増えたら楽しいんじゃないかなと思ったことがきっかけです。人と旅の話をするのは楽しいから、できるだけ多くの人と話せるようになりたいですし、実際に旅に行って楽しさを知ってもらいたいです。いろいろな理由で旅に行けない人には、せめて漫画を読むことで行った気分になってもらえたらと思います。 ――まえださん自身は、旅へのハードルが低かったのでしょうか? まえだ:ハードルが低いというより、あまり何も考えてないのかもしれません(笑)。私は一番最初のひとり旅で、いきなりモロッコに35日間行きましたが、そのときも緊急発券手数料がかかるほどギリギリでチケットを取りました。航空券の見方もわからず、飛行機で隣に座っていた人に航空券を見せて「この数字はなんですか?」と聞いたら、「それはフライト時間だよ」と言われたくらいです。なので、私のなかでは旅へのハードルはあまりありませんでした。いろいろ無謀だったし、トラブルも死ぬほどありましたけどね。
旅に行きたいと思える工夫
――行動力がすごい...! 読んでいる人が旅をしている気持ちになったり、旅に行きたいと思えるように、漫画のなかで意識していることはありますか? まえだ:食べ物はおいしそうに、風景はその場にいるように描くようにしています。そうすることで、読む人が旅をしている気分をより味わえたらと思います。それから「お金がこのくらいあれば旅行できるんだ」と思ってもらいたいので、実際にかかった金額を書くことが多いです。 ――なるほど! まえだ:あとは、旅をしているとネガティブな出来事もあります。でも、そういうことはネタに昇華できない限り、描かないことにしています。まだ行ったことがない人の興味関心を削いだら、行くチャンスを奪ってしまうのではないかと。それと、訪問先の現地の人が読んでも、失礼がないように描きたいと思っています。