原発事故で存続危ぶまれた伝統芸能「南津島の田植踊り」 地元保存会と大学生が協力して受け継ぐ 福島・浪江町
テレビユー福島
福島県浪江町の帰還困難区域、津島地区に伝わる田植踊りがこの秋にふるさとで披露されました。原発事故で存続が危ぶまれる中でも、活動を続けてきた地元の保存会に大学生が加わって実現したこの取り組みを追いました。 【写真を見る】原発事故で存続危ぶまれた伝統芸能「南津島の田植踊り」 地元保存会と大学生が協力して受け継ぐ 福島・浪江町 2024年10月、福島県郡山市で披露された浪江町南津島の田植踊り。 津島地区は原発事故で帰還困難区域となり、田植踊りも存続が危ぶまれてきました。しかしその後も精力的に活動を続け、ことしも多くの観客の前で踊りを披露しました。 踊りを担っているのは地元の保存会と、2年前から活動に加わった東北学院大学の学生たちです。 南津島郷土芸術保存会 今野充宏さん 「私にとっての田植踊りというのは、津島と私を繋ぐものだと思っています」 南津島郷土技術保存会 紺野宏さん 「ようやくここまで来れたんだなっていうのがあった 子どもたちの成長かな 子どもたちというか、学生の成長が手に取るように見えてよかったなっていうことかな」 東北学院大学の学生 伹野就斗さん 「保存会の人たち師匠とかにもよくやったねって言われるのが、よくなったねって言われるのが一番うれしいです」 浪江町津島地区の田植踊り、五穀豊穣や無病息災を祈るもので200年以上の歴史があります。 津島地区の4つの集落に伝わり、福島県の重要無形民俗文化財に指定されているふるさとの誇りです。中でも、南津島の田植踊りは、民俗学的にも高い評価を受けてきました。 福島県出身の民俗学者 山口弥一郎氏は、65年前に初めて南津島の田植踊りを見た際、調査ノートに 「東北ノ田植踊トシテハ最モ古例カモシレヌ」と記しました。 東北学院大学 金子祥之 准教授 「東北地方にたくさん田植踊りがあるけれども、いま自分が見ている南津島の田植踊りが一番古い形を保ってるんじゃないかって、それぐらい衝撃を受けて」 「熱心に通われて調査をしていくっていう形になるんですけど最初見たときの驚きがそのまま表現されていていいなと」
その田植踊りは今年もふるさと津島で披露されました。 卒業する学生たちにとっても、それを受け入れた保存会にとっても、ひとつの集大成となりました。 ここに来るまでの担い手たちの熱意と、変わりゆくふるさとの姿を追ったドキュメンタリー「祈りの系譜」は、TUFで12月30日(月)午後4時半から放送です。
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