麒麟・田村さんのポジティブな子育て「愛する我が子達は僕が居なくても逞しく育ってくれる」
※画像はイメージです 現在、二女一男の父でもある、お笑いコンビ・麒麟の田村裕さんによる、ポジティブでストレスが溜まらない「子育て」「夫婦仲」「人間関係」の正解。 壮絶だった生い立ち、『ホームレス中学生』の大ベストセラー、いつの間にか逆転していた相方との格差…様々な経験があったからこそ得られていった人生観。 田村さんが提案する、夫婦生活を続け、育児を楽しみ、毎日を笑って生きていく秘訣とは? 【YouTubeで人気の超節約術!】お金よりも大事なこと。節約につながる「健康」のための生活習慣/ 1年で300万円貯まる超節約術(1) ※本記事は田村裕著の書籍『ホームレスパパ、格差を乗り越える 何も変わらなかったから考え方を変えた』から一部抜粋・編集しました。 ■心配しなくてもほとんどの場合子供は勝手に育つ これは強烈に体験してしまったので、確固たる自信があります。 皆さん、子育てに「我が子を一人前に育て上げるぞ」という強い責任感を持っていらっしゃると思います。もちろんとても素晴らしい気持ちですし、それをやり遂げるために、日々子供と向き合って生きていくのが親なんですが、その気持ちが強過ぎて必要以上に自分を責めてしまったり、疲れてしまったりはしていないでしょうか? せっかく子宝に恵まれ、子供のことが大好きで愛情があるのに思い通りにいかない、やりたい育児が完璧に出来ない、そんな自分に落ち込んで育児が嫌になる。こんなにもったいないことはないと思います。 僕が思うに、育児は難し過ぎます。失敗して当たり前です。失敗を繰り返して親も子供と一緒に成長出来れば、それは十分に立派な子育てだと考えています。自分の理想の100点の子育てじゃなくても、愛情があれば、子供にとっては100点の子育てです。上手くいかなくて理想通りに出来なくてイライラして感情をコントロール出来ないより、そんな自分を許して認めてあげた方が、子供が失敗した時にも優しく寄り添えます。 何より子供は勝手に育ちます。僕は最終的には、兄と姉と知り合いのおじちゃんおばちゃんのお世話になってここまで育ちました。家の中に親は居ませんでしたが、ちゃんと大人になって、立派とは言えなくても楽しく毎日を過ごしています。ちゃんと育ちました。身長は180cmもあります。無駄にデカいともっぱらの評判です。 もちろん親が居て、色々話し合ったり大人の姿を家で見ていたりすれば、もう少し早く大人びたかも知れません。でもそれが人生に必要かどうかの答えはありません。もし親に毎日家で躾られて息苦しく生きていたら、全く違った価値観を持って、自分の人生に満足出来ない人間になっていたかも知れません。または、もっと人間が洗練されて、人のことを考え配慮が出来る、もっと充実した人生になっていたかも知れません。 まぁ早い話が正解なんて無いし、どっちの環境でも良いところを見つけて楽しむしかなかったのだと思います。 ということは、親がどれだけ頑張っても空回りすることもあれば、上手くハマることもある。全く頑張らなくても、子供が自分で人生にやりがいを見つけて成長する可能性もあれば、どんどん堕落していく可能性もある。どうなるかなんてわからないのであれば、無駄に責任感を持ち過ぎず、いつも機嫌の良い自分をキープして、心に余裕を持った状態で、出来る範囲の努力を続けるくらいで良いのかなぁと思ってしまいます。特に僕のように、親がおらんくても何とかなるやん、と感じてしまう人生であればなおさらです。 言葉が悪いかも知れませんが、親がおらんくても最悪、子供は育ちます。 人間の生命力は凄いです。自分のお子様を信じてあげてください。日本という国を信じてあげてください。色んな支援制度もあります。誰かが助けてくれます。助けられた人間はきっといつの日かまた誰かを助けます。心配し過ぎなくて大丈夫だと思います。 やる気を出すな、とかそういう意味ではありません。育児放棄を勧めているわけではありません。全力で向き合える時は向き合ってあげてください。教えられるだけのことは教えてあげてください。でも疲れ過ぎないでください。最悪、子供は勝手に育つからと、肩の力を抜くことを上手く使い分けてください。 実際、僕は責任というものは全く感じていません。勝手に育ってね、と思っています。出来る限りは寄り添うけど、そもそも自分が何歳まで生きられるかもわからないし、浮き沈みの激しい仕事をしていますから、どうなるかなんてわからないよって思っています。親子2世代連続の「解散」もあるかも知れないくらいに思っています。 なるべく一緒に居ようね、出来る時に出来ることは全力でやるからねっていうくらいです。愛する我が子達は僕が居なくても逞しく育ってくれると心の底から信用しています。 なので、毎日が楽しくて仕方ありません。これを読んでくださっている皆さん、田村家が解散したらその時は子供達をよろしくお願いしますね(笑)。 【著者プロフィール】 田村 裕(たむら ひろし) 1979年9月3日生まれ、 大阪府吹田市出身。NSC大阪校20期生。99年に川島明とお笑いコンビ・麒麟を結成。2001年には第1回M-1グランプリで無名ながら第5位の成績を収める。07年に自伝的小説『ホームレス中学生』を発売しミリオンセラーに。ドラマ化、映画化もされ社会現象となった。バラエティ番組などに出演するほか、バスケ芸人としても活躍中。11年に結婚し、3児の父となる。 著=田村裕/『ホームレスパパ、格差を乗り越える 何も変わらなかったから考え方を変えた』