長崎新聞社は、共同通信社が２０、２１両日に実施した衆院選の全国電話調査を基に取材を加味し、県内３選挙区の終盤情勢を分析した。２区は立憲民主前職の山田勝彦候補（４５）と自民前職の加藤竜祥候補（４４）が接戦を繰り広げている。３区は自民前職の金子容三候補（４１）と立民元職の末次精一候補（６１）がデッドヒート。１区は国民民主前職の西岡秀子候補（６０）が盤石の勢いを保ち、自民新人の下条博文候補（４９）が追っている。 　ただ回答者の２割程度が誰に投票するかまだ決めておらず、２７日の投票日までに情勢が変わる可能性がある。 　区割り改定で与野党の前職が激突する構図となった２区。回答では、旧３区が地盤の山田氏が政党支持別で立民の９割、共産の８割弱を押さえ、旧２区でも一定浸透している。旧２区が拠点の加藤氏は自民６割、公明７割と十分固め切れておらず、支持する政党がない「無党派層」への広がりも課題。参政新人の髙木聡子候補（４３）、維新新人の横田朋大候補（３７）は伸び悩んでいる。 　３区は昨年１０月の旧４区補選で一騎打ちを演じた金子氏と末次氏が抜け出す展開。金子氏は自民、公明の７割弱の支持を固めたほか、旧３区だった東彼３町や離島などで先行している。末次氏は立民の８割強に加え、無党派層の５割弱を押さえ、有権者が多い佐世保市でややリードしている。４月の旧３区補選で敗れた維新新人の井上翔一朗候補（４１）は苦戦を強いられている。 　県都・長崎市の１区は、西岡氏が優勢を維持。国民、立民、社民の８割以上をまとめたほか、保守層にも食い込んでいる。下条氏は自民と公明の支持が５割台で、無党派層にも浸透しきれていない。共産新人の内田隆英候補（６８）はやや勢いを増して追走。維新新人の山田博司候補（５４）は伸びがなく、参政新人の黒石隆太候補（３３）は厳しい戦いとなっている。 　比例代表で投票する政党は、立民が２４・６％でトップ。続いて自民２２・２％、国民１０・９％、公明９・３％、維新５・５％、共産４・７％、れいわ４・２％、参政３・７％、社民２・３％の順。分からない・無回答は１２・５％だった。 　今回の衆院選の関心度は１～３区とも「大いに関心がある」が６０％超、「ある程度関心がある」が約３０％で、合わせて回答者全体の９０％以上となっている。