お目見えするのはこの時期だけ。“もこもこ”の淡いブルーが美しい「デルフィニウム」
藤野幸信さんが選ぶ「季節の贈り花」 今、この花を贈りたい!
「フルール トレモロ」オーナー 藤野幸信さんが“今贈りたい”おすすめの花をセレクト。その花を使った、新作ブーケ&アレンジメントをさまざまなバリエーションでお届けします。 【写真】デルフィニウムを使ったブーケ&アレンジメントをもっと見る
2月の花「デルフィニウム」
藤野幸信/Yukinobu Fujino 広島駅からほど近い段原の骨董通りにある「フルール トレモロ」オーナー。広島大学大学院理学研究科生物科学専攻を終了後、花の道に進んだ異色の経歴。著書『大切な人への贈り花』も好評。
花が傷みにくい寒い季節に贈りたいデルフィニウムの注目2品種
ブルーのバリエーションが豊富に揃ったデルフィニウムは、初夏から夏の花という印象をもつ方も多いと思います。が、じつはデルフィニウムは南から北へと産地を変えて一年中出回ります。その中からこの時期によく利用するお気に入りの2品種を今回はご紹介いたします。 まずはデルフィニウムの‘トリトン’シリーズ。これは通年出回りますが、佐賀県杵島郡の「白浜農産」さんが生産する淡いパープルが美しい‘トリトンラベンダー’だけは、この時期に特別な仕立てで出回ります。初めて見る方は「これがデルフィニウム?」と驚くこと間違いなし!花の先端までぎっしり詰まったもこもこの花穂なのです。こんなに密な花穂をどのように仕立てているのか、一度「白浜農産」さんに伺ってみたいものです。 これだけ花穂が密なデルフィニウムだと、長さを生かしたブーケ、短く切り分けて挿したアレンジ、どちらでもボリューム感が出せ、淡いブルーの花色の印象も強くなります。今までのデルフィニウムにはない新しい使い方ができそうで、「白浜農産」さんから‘トリトンラベンダー’が届くと何だか創造力が掻き立てられるのです。
さて、もう一つ紹介したいのが、数あるブルーの中でも本当に美しいと感じるデルフィニウム‘マーキュリー’です。この時期にはデルフィニウムの生産では高いスキルを誇る宮崎県の生産者グループ「ダイアナフラワー」さんから、クオリティの高い‘マーキュリー’が届きます。見ているだけで胸がすくような少し淡いブルーの花色を見るたびに惚れ惚れ。こちらは先端がすっとした仕立てですが、先端につていてるふっくらした蕾がまたかわいらしいのです。この先端をうまく生かしたブーケやアレンジをするように心がけています。 デルフィニウムは基本的には花もちがよいのですが、夏の暑い時期の移動では傷みやすくなるので、気温が低いこの時期こそ、贈り花に最適なタイミングだと思います。ブルーの花がお好きな方への贈り花に、ぜひ利用してみてください。