１０月２４日、ニデックの岸田光哉最高経営責任者（ＣＥＯ）は苦戦の続いているモーターと減速機、インバーターを一体化した電気自動車（ＥＶ）向け駆動装置「イーアクスル」の中国での事業について「第２・四半期（７─９月期）からは黒字の計上でスタートした」と述べた。１０─１２月期は第３世代商品の展開が控えており、駆動装置事業は「今後、二度と赤字になることはないという覚悟のもと事業展開をしている」と語った。写真は会社ロゴ。２０１８年７月撮影（２０２４年　ロイター／Kim Kyung-Hoon）

Maki Shiraki ［東京　２４日　ロイター］ - ニデックの岸田光哉最高経営責任者（ＣＥＯ）は２４日の２０２４年４━９月期決算説明会で、苦戦の続いているモーターと減速機、インバーターを一体化した電気自動車（ＥＶ）向け駆動装置「イーアクスル」の中国での事業について「第２・四半期（７─９月期）からは黒字の計上でスタートした」と述べた。１０─１２月期は第３世代商品の展開が控えており、駆動装置事業は「今後、二度と赤字になることはないという覚悟のもと事業展開をしている」と語った。 欧州自動車大手ステランティスと合弁で展開している欧州での同事業も「予定通りに改善している」と説明し、「第３・四半期（１０─１２月期）、下期からは黒字にもっていきたい」と述べた。ステランティスのＥＶ販売の計画下振れも懸念されているが、「販売台数うんぬんで大きな下振れを起こすことなく、下期の黒字に向けてまい進していく」と話した。 ２４年４━９月期の連結売上高は前年同期比１１．８％増の１兆２９３８億円で、４━９月期として過去最高だったが、先行き不透明感などを背景に２５年３月期は前回予想の２兆５０００億円を据え置いた。岸田ＣＥＯは、売上高２兆円には８年かかって１９年に達成しており、「３兆円に到達するのは（その）６年後と考えている」と述べた。 ニデックは中長期の成長に向けて、１）車載部品などのモビリティー、２）工作機械などの生産効率化、３）データセンターなどＡＩ（人工知能）、４）発電機や蓄電池などの持続可能なインフラ・エネルギー、５）家電や空調などのより良い生活の追求──の５つの分野を注力する事業領域として掲げており、Ｍ＆Ａによる上乗せも含めて２０３１年３月期に売上高１０兆円を目指している。 Ｍ＆Ａ戦略の今後の方針について問われた岸田ＣＥＯは「真のグローバルな１０兆円企業になるため」には、大型のＭ＆Ａ案件のほか、５つの事業領域の足りない部分を埋め合わせていく案件の「両方の組み合わせが必要」との見解を示した。