ダイエットで効果が確認された健康食品と、死者まで出した絶対選んではいけない健康食品
「お茶で血圧が下がるなら薬を飲む前に試してみようか」「健康食品でダイエットできるならそれがいちばん楽でしょう」「食生活が不規則だからビタミンやミネラルで補うしかない」などと、健康食品はすっかりわれわれの生活に浸透している。 薬学博士が教える、【コレステロール低下】に効果的なトクホの素材 しかし実は、健康食品では機能性や安全性について何の保証もない健康食品が多く販売され、健康被害の大半はこれらの製品で発生している。ならばどんな健康食品を使えばいいか、使いたければ自身で見分ける目が必要である。そのため健康食品で被害に遭わないための基礎知識をさまざまな事例を通してわかりやすく解説した著書『健康食品で死んではいけない』より連載形式で紹介する。
肥満を解消するトクホや機能性食品
肥満とは体脂肪や内臓脂肪が多い状態である。肥満は放っておくと、血中中性脂肪が高い人と同じように心筋梗塞や脳梗塞になりやすい。足や腰の関節も痛みやすくなる。さらに内臓脂肪が蓄積すると、糖尿病や、がんなどの発症率が上昇することが明らかになっている。したがって肥満の人はメタボ検診などで体重を減らしてくださいと指導を受けることになる。この場合も管理栄養士さんなどの食事指導に従い、さらに運動を加えるのが最も手っ取り早い対処法である。 その食事指導を実践する際にトクホや機能性表示食品を摂取すると、効率よく体脂肪を減らせる。まず、次の素材が脂肪の腸管からの吸収をさまざまな形で抑制する。 リンゴ由来プロシアニジン、ウーロン茶重合ポリフェノール、コーヒー豆マンノオリゴ糖、乳酸菌ガセリ菌SP株など。 そして体内の中性脂肪の分解を促進するのが、ケルセチン配糖体、クロロゲン酸、茶カテキンなどの成分である。 これらの素材を食生活の改善や運動を行いながら利用すれば、数ヵ月でそれなりの体重減少は期待できる。しかしここでも注意しなければならないのは、これらの作用も前項と同じように食生活の改善が伴わないとよい結果はのぞめない。
有害な副作用を生じさせるケースとは
もう一つ、肥満解消の健康食品を摂取するとき、絶対やってはいけないことがある。それはトクホまたは機能性表示食品以外のダイエット健康食品で、減量を考えることである。 何度か健康被害の実態を述べてきたように、ダイエット健康食品ではまず未承認の医薬品の混入がよくある。また、ダイエット効果が見られる野菜などを素材とした健康食品が、有害な副作用を生じさせるケースが多い。このようにトクホ、機能性表示食品以外のダイエット健康食品での健康被害のトラブルは非常に多く死者まで出ているから、痩身願望に負けてこうした健康食品に手を出すようなことはくれぐれもしてはいけない。 続きは<薬学博士が教える、【コレステロール低下】に効果的なトクホの素材&方法>で公開中。
長村 洋一(一般社団法人日本食品安全協会代表理事)