英国生まれの日産「マイクラC+C」が249.9万円/1500台で国内投入、3代目「マーチ(K12型)」のオープンモデルだ!【今日は何の日?7月23日】
一年365日。毎日が何かの記念日である。本日7月23日は、日産自動車のNMUK(英国日産自動車製造)サンダーランド工場で製造され、2005年11月から欧州で発売されていた3代目「マイクラ(日本名マーチ)」のオープンモデルを、日本で「マイクラC+C(シープラスシー)」として販売を開始した日だ。 TEXT:竹村 純(Jun TAKEMURA)/PHOTO:三栄・ニューモデル速報 2009年コンパクトカーのすべて■人気コンパクトカー3代目マーチのオープンモデルを限定販売 日産・マイクラC+Cの詳しい記事を見る 2007(平成19)年7月23日、日産自動車は2005年11月から欧州で発売されていた人気の3代目「マイクラ(日本名マーチ)」のオープンモデル「マイクラC+C」を日本でデビューさせた。1500台の限定販売だったが、2010年8月に1500台に達したため、日本での販売を終了した。 ●リッターカーの世界戦略車として誕生したマーチ(K10型) 1980年代初頭の日本市場は、1981年に登場して大ヒットしたホンダ「シティ」が火付け役となり、コンパクトカーブームが到来していた。そのような中、日産はシティの搭載した1.2Lよりも小さいエンジン1.0Lを搭載した、いわゆるリッターカーの「マーチ」を1982年10月にデビューさせた。 スタイリングは、著名なイタリア人デザイナーのジウジアーロがデザインしたハッチバックスタイルで、そのCd値は0.39とクラストップの空力性能を実現。パワートレインは、日産初のアルミ製1.0L直4 SOHCと4速/5速MTおよび3速ATの組み合わせで、駆動方式はFFである。 マーチは、欧州ではNMUK(英国日産自動車製造)サンダーランド工場で製造され「マイクラ」を名乗った。世界戦略車のマーチは、親しみやすいスタイリングと運転のしやすさが人気を呼び、日欧でヒットモデルになった。 ●多彩なバリエーションで人気を加速した3代目(K12型) マーチは1992年にモデルチェンジして2代目(K11型)に移行。基本的には、初代のキープコンセプトだが、特徴的なのは全体的に角が取れた丸みを帯びたフォルムに変貌したこと、初代に引き続き日欧で人気を獲得した。 そしてそして2002年に登場した3代目マーチは、よりラウンディッシュでキュートなスタイリングとなった。パワートレインは、新開発の1.0L(68ps)/1.2L(90ps)/1.4L(98ps)の直4 DOHCエンジンと、4速ATおよび5速MTの組み合わせで、駆動方式はFFと4WDである。 3代目マーチは、次々とバリエーションの展開を進めて商品力強化を図った。同年9月にはリヤに小出力のモーターを取り付け4WDとした“e-4WD”を1.4LのAT車に設定。2003年には、オーテックジャパン(カスタマイズカーなどを手掛ける日産のグループ会社)がハイチューンしたマーチ初のホットモデル「12SR」が追加された。最高出力108psだが、960kgの軽量ボディで軽快な走りで人気を獲得した。 当時は、トヨタの「ヴィッツ」、ホンダの「フィット」がコンパクトカー人気を2分していたが、3代目マーチも初年度の販売は平均1万台/月を超え、その後も最低でも5000台をキープし善戦した。 ●英国生まれの小粋なオープンモデルは1500台限定販売 オープンモデルは日本では希少だが、欧州では一般的なモデルとして人気が高く、3代目マーチに欧州仕様のオープンモデル「マイクラC+C」が2005年11月から追加された。欧州での人気を受けて、日本でも約2年遅れの2007年のこの日から発売が始まった。 マイクラC+CのCは、“クーペ(C)+コンバーチブル(C)”の略で、3代目の小粋なスタイルはそのままに、車高は110mm下げられ、全長は90mm延長。注目のボディは、欧州のオープンカー製造で定評のあるドイツ・カルマン社が担当し、ボタンひとつ約22秒で操作できるオープンルーフは秀逸だった。 パワートレインは、1.6L直4 DOHCエンジンと、5速MTおよび4速ATの組み合わせ。駆動方式はFFのみだが、剛性を高めたボディにより、爽快な乗り心地と軽快な走りがオープンカーファンを魅了した。 5速MT/4速ATとも249.9万円で販売されたマイクラC+Cは、2010年8月に限定販売1500台に到達して、日本での販売を終了した。 ・・・・・・・・ オープンモデルは、日本でも自動車が普及し始めた1960年代から1980年代にかけて、マイクラC+Cのようなコンパクトカーから、スポーツモデルまで多くのモデルで設定されていたが、最近はほとんど見なくなってきた。クルマに多様性や実用性が重視される現在、純粋にクルマを楽しむといった趣味的なオープンカーはどうしても数が限定されてしまうのだ。 毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。
竹村 純
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