中国で人気、加賀出身・加藤さん 友好協の親善大使に 山中温泉の魅力発信
●文化やグルメ情報動画で 加賀市山中温泉出身で、中国の交流サイト(SNS)で人気のインフルエンサー加藤彩子さん(38)=東京都在住=が、日本最大級の中華系ファッションショーで3部門を制し、東京都日中友好協会のアンバサダー(親善大使)に任命された。約30万人の中国人ファンを持つ加藤さんは「自分の伝える力や語学力を生かして日中友好の架け橋になりたい」と語り、ふるさと石川の発信にも決意を新たにしている。 加藤さんは小松高時代に21世紀石川少年の翼事業で県友好交流地域の中国・江蘇省を訪れ、現地の人の温かさに触れたことをきっかけに中国に興味を持った。神戸大国際文化学部に進学して中国語を学び、北京に1年間留学。結婚後は上海に移った。 専業主婦だった加藤さんは周囲の働く女性に感化され、「日本太太PangMama」の名前で、複数のSNSで発信を始めた。堪能な中国語を生かし、現地の人と話しながら町を紹介する動画が人気になり、総フォロワー数は約30万人まで増えた。中国系の人たちに人気の動画サイトにも出演し、少数民族の暮らしなどを取材。永住権も取得した。 夫の仕事の関係で帰国してからは、都内で中華圏向けに日本の観光地の紹介を始めた。金沢の兼六園や、ひがし茶屋街でも動画を撮影し、歴史や文化、グルメなど観光客に有益な情報を伝えている。 加藤さんが出場したショーは、昨年12月9日に日中の文化交流を目的に開かれた「トーキョー・マンダリン・アワード2024」。初出場で三つのグランプリに輝いたことに驚きながら、地元山中温泉の振興についても意気込みを見せ、「魅力を発信するだけでなく、観光客を受け入れる体制の整備にも協力していきたい」と話した。