推し活、スイーツ、大好きな小説、デパコスetc. “私へのご褒美”って悪影響?脳にも影響する!?脳科学者が解説
“私へのご褒美”は、脳のさまざまな領域を元気にするだけでなく、ストレス解消に!と専門家
私へのご褒美がどのように脳に影響するのでしょう。良い影響、それとも悪い影響を与えるのでしょうか。ここでは、瀧 靖之さんにお話を聞きました。 「推しにドキドキしたり、高級スイーツを食べたり、欲しいものを買ったり、行きたいところに出かけたりといったワクワク・キドキするような楽しいことは、脳をイキイキとさせ、脳の健康を保つためにとても大切なことです。 ワクワク・ドキドキに深く関わっているのが、扁桃体と呼ばれる脳の側頭葉にある領域と、神経伝達物質のドーパミンです。扁桃体では、好きや嫌い、快不快の感情を仕分けする場所です。ワクワク・ドキドキすると、報酬系と呼ばれる脳の神経器官に指令を出してドーパミンを放出します。ドーパミンが流れ出すと、脳のさまざまな領域を元気にし、やる気をつくり出すだけでなく、心地よさも感じられるためストレスを和らげる効果もあります。 私へのご褒美というと、少しうしろめたさを感じる時もあるでしょうが、うしろめたさを感じる必要はありません。育児は幸せな時間である一方、思い通りにいかないことが多いからです。特に家事・育児に忙しいママは、自分時間をつくることが難しくストレスをためがちなので、幸せを感じるご褒美時間はとても大事です。 ただ、不安や不快などネガティブな感情とも扁桃体は関わっているので、ストレスがたまると、過剰に活動してします。家事・育児がたいへんなのは当たり前と思ったり、好きなことを我慢したりすると、かえって脳に負担をかけることになります。扁桃体が過剰に活動すると、普通のワクワク・ドキドキでは抑えられなくなり、より強い刺激を求めるようになるため、注意が必要です。 いつもご褒美というわけにはいかない場合は、ワクワク・ドキドキと同じ効果が得られる運動があります。運動は、扁桃体の過活動を抑えるという報告もあるので効果的です。 運動は、わざわざジムに通わなくても、息が弾むくらいの少し早歩きするウォーキングで十分です。そのほか、スクワットなどの軽めの筋トレもいいと言われています。時間は5~10分でいいので、忙しいママにもオススメです」(瀧 靖之教授) “私へのご褒美”が、やる気や元気にしてくれる源になり、ストレスを和らげてくれるのですね。うしろめたさは忘れて、たまのご褒美を楽しみましょう! (取材・文/酒井範子、たまひよONLINE編集部) ※文中のコメントは「たまひよ」アプリユーザーから集めた体験談を再編集したものです。 ※記事の内容は2024年5月の情報で、現在と異なる場合があります。
瀧 靖之さん
PROFILE) 東北大学加齢医学研究所教授。スマート・エイジング学際重点研究センター センター長。医師、医学博士。 東北大学助手、助教、准教授を経て、12年より東北大学東北メディカル・メガバンク機構教授、13年より現職。大規模脳画像データベースを用いて、脳の発達、加齢を明らかにし、どのような生活習慣が脳の加齢を抑えるかを明らかにしてきた。主な著書に、『回想脳 脳が健康でいられる大切な習慣』(青春出版社)、「16万人の脳画像を見てきた脳医学者が教える『「賢い子」に育てる究極のコツ』(文響社)『脳医学の先生、頭のよくなる科学的な方法を教えて下さい』(日経BP)などがある。
たまひよ ONLINE編集部