【欧州市況】フランス債上昇、ドイツ債との利回り差は週初の水準回復
(ブルームバーグ): 29日の欧州債市場は、フランス債が上昇。同国債は今週激しく揺れ動いたが、ドイツ債に対する週初からの下げを埋めて取引を終えた。短期金融市場が織り込む欧州中央銀行(ECB)の利下げの見通しは拡大した。
市場で注目される10年物フランス債のドイツ債に対する上乗せ利回りは、取引終了までの数分間で81ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)に縮小し、週初と同じ水準を回復した。
バルニエ首相が今週、内閣不信任決議を回避しようと2025年度予算案で譲歩し、フランス債は落ち着きをある程度取り戻した。極右政党・国民連合(RN)を実質的に率いるマリーヌ・ルペン氏は首相に対し、週明けの12月2日までにさらなる予算案の修正に応じるよう要求している。
ドイツ債とイタリア債も上昇。ドイツ2年債利回りは5bp低下して1.95%と、2022年以来の低水準を付けた。
JPモルガン・チェースはユーロ圏の経済活動減速を理由に、0.5ポイントの利下げ予想を12月に前倒しした。これを材料にトレーダーは大幅利下げへの予想を引き上げ、短期金融市場が織り込む同月の0.5ポイント利下げ確率は10%から20%に上昇した。
欧州株は上昇。関税やフランスの政治混乱に対する懸念は続いているが、テクノロジーや資源関連株の上げが指数を押し上げた。
指標のストックス欧州600指数は0.6%上昇。テクノロジー株や大手の石油・鉱業株が買われた。
11月29日の欧州マーケット概観(表はロンドン午後6時現在)
原題:French Bond Risk Gauge Eases as Traders Boost Bets on Jumbo Cut(抜粋)
Bunds Rise as Traders Mull 50Bps ECB Dec. Cut: End-of-Day Curves、European Stocks Rise as Tech Rally Outweighs Tariff Worries(抜粋)
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Alice Gledhill