【バレー】全国準優勝2度の東山高vs.強力ダブルエースを擁する洛南高 男子決勝は全国屈指のハイレベルな戦いに【京都府春高予選(男子)】
東山高と洛南高。これまで熱戦を繰り広げてきた京都府男子の両雄が、11月18日(土)、全日本バレーボール高等学校選手権大会京都府予選会決勝で激突する。3年ぶりの同カードで、選手たちにとって初めてとなる大一番でのライバル対決。決戦を前に、両校のこれまでの歩みを振り返る 【表】11月17日時点の春高出場チーム一覧
東山高 挑戦を続け2度の全国準優勝
壁にぶつかっては乗り越え、東山高はこの1年間で大きな変貌を遂げた。 昨年度はインターハイで初優勝し、春高でもベスト4入り。だが、身長207㎝で日本代表の麻野堅斗ら当時の3年生の抜けた穴は大きかった。中でもポイントとなったのがセッター。2年間レギュラーを務めた當麻理人(東海大1年)に代わり、新たに司令塔に指名されたのは、高校から本格的にセッターに転向した太田渉稀だった。 5月の黒鷲旗では、太田の経験不足をカバーすべく、セカンドテンポの攻撃で戦った。スパイカーの成長を促すと、花村知哉キャプテンやエース尾藤大輝らが格上の相手に真っ向勝負。グループ戦の筑波大戦では、敗れたもののセットを奪った。松永理生監督は「踏み込んで打ちにいく習慣になるので。あれだけたたいてくれたら楽しみになりますね」と目を細めた。 その1ヵ月後のインターハイ府予選決勝では、ライバルの洛南高にストレート勝ち。第1セットは4-8と先行されたが、尾藤、花村キャプテン、サウスポー梶田勘大郎ら3年生スパイカーが磨いてきたスパイクで劣勢を打開した。リベロ髙橋智貴の守りも光り、指揮官は「3年生の力ですね」とたたえた。
だが、歯車が狂い始めたのはその後だった。インターハイを制した昨年に続き、7月の近畿大会では頂点に届かず。準決勝で昇陽高(大阪)にストレート負けを喫した。何より満足できなかったのはその試合内容。選手間の声かけは少なく、コートに一体感をつくれないまま敗れた。そこからインターハイまでのおよそ2週間。初優勝した前年と比べ、松永監督が「今年のほうがハードでした」という厳しい練習で追い込んだ。 2年連続で決勝まで勝ち上がったものの、インターハイでは準優勝。終盤の競り合いを制することはできず、駿台学園高(東京)にストレート負けを喫した。トスのスピードも上がり、コミュニケーションの量も増えた。それでも、頂点までの距離は遠かった。 「悪くはないですよ。でも、日本一を取ろうと思ったら、駿台(駿台学園高)はあれだけの力があるので。満足してしまったら超えられない。春高予選を突破して、もう1回決勝で当たるときのために、相当力をためないといけません」(松永監督) 国体近畿ブロック大会では梶田がジャンプサーブに変えるなど、サーブの強化にも着手した。単独チームとして臨んだ国体では、2年生の鎌田侑來や守屋徒輝の打数も増やし、準々決勝(対神奈川県)、準決勝(対愛知県)とその新たなスタイルも機能。決勝(対山口県)では1-3でまたも頂点を逃したが、今季初めてセッターを太田から1年生の山上晴太郎に途中交代した。「チーム力を上げるための材料として、国体の決勝を経験してもらうことがこれからの彼の財産になるはずなので」。未来を見据えた決断も下してきた。