ゴーン被告弁護団の弘中氏らが会見(全文1)今回の逮捕・起訴は極めて不正
検察側を名誉毀損で起訴することは考えないのか
記者2:皆さんが配ってくださった資料を読みますと、大変強い武器ではないかと思います。この武器を使って、カルロス・ゴーンさんが検察側に対して、名誉毀損などの起訴を考えていますか。もしそのことを考えるならば、非常に強い資料になるんではないかと思います。それから、もしそのことを考えていらっしゃらないのであれば、そのことで、検察側との交渉で有利に使える資料ではないかと思います。それが1つ、質問です。 2つ目の質問は、検察側なのか経済産業省なのか、どちらが一番力を握ってますか、この件に関して。 弘中:今は刑事の弁護のほうに専念してますので、名誉毀損のことはもっとあとで考えたいと思ってます。それから、この事件は刑事裁判としてはもちろん、検察が中心になってやっていますが、経産省も無関係とは思っていません。 司会:(英語)
被告側に裁判を迅速に行う権利はあるのか
記者3:質問を2つさせてください。1つは、日本とアメリカとは違いますが、裁判を迅速に行う権利を、被告側にあるかどうか、それについて日本の制度はどうなってますか。ちょっと教えていただけます? それが1つ。 もう1つは、裁判を避けるためにお互い譲り合う、Plea bargainを行うことを考えてますか。それについてゴーンさんご自身はどうお考えでしょうか。 司会:要するに司法取引みたいなのは何か、【シナリオあるか 00:26:52】ということになります。 弘中:1つ目は、日本ではもちろん、迅速な裁判を受ける権利があるということは憲法上、保証されています。しかしさっき言ったように検察のほうでは、まだだらだらと捜査を続けていますので、われわれはなんとか早く裁判を進めたいということを主張しています。 2つ目は、日本ではそういう意味での司法取引はありません。従って、ゴーンさんもそれを考えることはできません。
ゴーン氏報道への評価は?
司会:(英語)。今、報道でゴーンさんの、過去のことについていろんなことが、おそらくリークだと思いますけども、報道されているんですが、この内容についての先生方の評価を、ぜひお伺いしたいと思います。特にここまで公判前なんかでいろんな証拠も出されていると思いますけど、それを見比べたときにまったくあり得ないようなことがいっぱい出てきてるのかどうか、その報道の内容についての評価もできればお願いします。 弘中:いろいろある中で1つ挙げれば、報道では盛んにゴーンさんがオマーンのSBAに日産からお金を出させた上で、それを環流させて、それをビューティー・ヨットであるとか、ショーグンであるとか、自分のほうが使ったということが盛んに報じられたわけですけれども、その証拠を見ても、日産がSBAに払ったそのお金がゴーンさんに環流してきたということを示すものは見当たりません。従って、その辺りはまったくリークに基づいて勝手に書かれた記事だというふうに思っています。 それから、最近のでいえばゴーンさんがレバノンの学校に寄付をさせて、それを、しかも自分の所得としては申告をしたかったと、不正なことをしたというふうな記事がありますけれども、これまでこちらで見た証拠の限りではそういうことはないというか、それはまったく日産の内部のミスの問題にしか過ぎないと。詳しいことは申し上げかねますけども。であって、それをゴーンさんのせいにするというのはまったく間違っているというふうに思っております。 司会:影山さん。 【書き起こし】ゴーン被告弁護団の弘中氏らが会見 全文2に続く