ゴーン被告弁護団の弘中氏らが会見(全文1)今回の逮捕・起訴は極めて不正
日本の検察は手元の証拠を全部見せない
日本では検察は手元の証拠を全部見せるということになっていません。従ってわれわれは検察の手元にあって、かつ、こちらのほうとして見る必要のある証拠について、それをなんとか開示しろということを書面で繰り返し要求してきていると、これが現状です。 この公判前整理の目的は、弁護側、検察側の主張の要所を出させて、それから提出する証拠を決めて、その上で裁判所が公判の日程を決めるということが目的です。まだ、その証拠開示が全部は済んでいないんですけれども、早く裁判を進めるために、われわれとすると主張を全部まとめて今回、提出したということです。その内容についてご説明しますが、資料をお配りいたしましたので、詳しいことはあとでゆっくりご覧になってください。 この事件でわれわれは、カルロス・ゴーンさんが無罪であるということを確信していますが、それ以前にこの、今回の逮捕・起訴それ自体が違法であると。従って、もう直ちに打ち切って、ゴーンさんを解放するべきであると、こういうことを主張しました。 簡単に言えば、今回の逮捕・起訴はゴーンさんを日産から追い出すために日産がたくらみ、それに検察が協力して行った極めて不正なものであるというのが結論です。日産は、ゴーンさんを追い出すために、何か不正なことはないかという調査チームをつくって、あれこれと逮捕できそうな材料を探したということであって、何か犯罪があったから検察が動いたのではありません。そういうことで、根本的にこの事件は刑事事件としては問題がある、違法なものだと思っています。 検察は公益のために活動するべき存在であって、日産という1つの企業のために活動するというのは間違っています。その結果として捜査の手続きでも数々の違法があります。海外では検察の捜査権力が及ばないので、日産の社員を使ってゴーンさんの関係する事務所とか建物から、さまざまなものを持ち去りました。